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2018 年度 実績報告書

システムウイルス学的手法によるウイルスと宿主の共進化・進化的軍拡競争の原理の解明

公募研究

研究領域ネオウイルス学:生命源流から超個体、そしてエコ・スフィアーへ
研究課題/領域番号 17H05813
研究機関東京大学

研究代表者

佐藤 佳  東京大学, 医科学研究所, 准教授 (10593684)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードシステムウイルス学 / 進化的軍拡競争 / レンチウイルス
研究実績の概要

計画1a:ゴリラ免疫不全ウイルス(SIVgor)の適応進化原理の解明
SIVgorは、チンパンジー免疫不全ウイルス(SIVcpz)がゴリラに種間伝播することで誕生したと考えられている。霊長類は、レンチウイルスの感染を阻害するために、A3Gという遺伝子をコードしている。一方、レンチウイルスは、Vifという遺伝子を進化的に獲得し、宿主のA3Gを拮抗阻害することで、その感染を成立させる。本研究では、SIVcpz Vifが16番目のアミノ酸に変異を獲得することで、ゴリラA3Gを拮抗阻害する機能を獲得したことを明らかにした。
計画1b:ネコ免疫不全ウイルスとネコ科動物の進化的軍拡競争の分子メカニズムの解明
北米大陸には、ピューマレンチウイルス(PLV)というレンチウイルスが存在し、系統学的にA型とB型に分類される。PLV-Aはピューマとボブキャット両者に感染していることが確認されているが、PLV-Bはピューマにのみ感染している。本研究では、ボブキャットA3Z3が、PLV-B Vifに対して抵抗性を有することを明らかにした。
計画2:ヒト集団におけるHIVの適応進化原理の実験的検証
HIVは出芽の際に、Gagタンパク質に存在するふたつのモチーフ(PTAPモチーフとYPXnLモチーフ)を用いる。PTAPは、細胞のタンパク質であるTSG101を、YPXnL、細胞のタンパク質ALIXをそれぞれハイジャックすることで出芽する。公共データベースを用いた分子系統学的解析から、日本を含む先進国で流行するサブタイプBのウイルスはYPXnLモチーフを有するのに対し、主にアフリカで流行するサブタイプCのウイルスはこのモチーフを有さないことを明らかにした。さらに、実験ウイルス学的に検証を行った結果、YPXnLモチーフとALIXの結合が、ウイルスの出芽および複製・増殖に重要であることを明らかにした。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Comparative description of the expression profile of interferon-stimulated genes in multiple cell lineages targeted by HIV-1 infection2019

    • 著者名/発表者名
      Aso H, Ito J, Koyanagi Y, Sato K*.
    • 雑誌名

      Frontiers in Microbiology

      巻: 10 ページ: 429

    • DOI

      doi: 10.3389/fmicb.2019.00429

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] New World feline APOBEC3 potently controls inter-genus lentiviral transmission2018

    • 著者名/発表者名
      Konno Y, Nagaoka S, Kimura I, Yamamoto K, Kagawa Y, Kumata R, Aso H, Takahashi TM, Nakagawa S, Kobayashi T, Koyanagi Y, Sato K*.
    • 雑誌名

      Retrovirology

      巻: 15 ページ: 31

    • DOI

      doi: 10.1186/s12977-018-0414-5

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2019-12-27  

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