研究実績の概要 |
これまでの実験(perceptual crossing experiment)で、限定された空間内部での相手の実存性の計測の実験において、実在性の知覚とはなにか、を定量的に計算することができた(Hiroki Kojima, Tom Froese, Mizuki Oka, Hiroyuki Iizuka, Takashi Ikegami: A Sensorimotor Signature of the Transition to Conscious Social Perception: Co-regulation of Active and Passive Touch, Frontiers in Psychology, 8.01778, 2017)。こうした新しい実在性の知覚を、アンドロイドをベースに応用することで展開し、広く心理学や認知科学の分野に訴えることができた。たとえば、8月にはPassive Touch, Stimulus Avoidance and the Android “Alter"というタイトルで、国際理論心理学会での招待講演を行った。 実際に人や動物などの生命システムでなくても、Agency を認める自然なプロトコルを提案した。ここでいう Agencyとは、自律的な行為主体(autonomy)であり、生命的な存在感(presence)があり、こちらとの模倣や競争など;の相互作用(interactivity)を持つこととする。 本課題で考案した、Agency をもつ仮想空間のプロトタイプはTypeTraceと呼ばれるものを、早稲田大学の研究協力者であるドミニクさんと協力して、会話形のインターフェイスを構築した。その最初の実験をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
人が感じる実在性をうまく定量化し、論文化できたこと[1]。それをアンドロイドの動きをつくるソフトウェアを用いて考察し、論文にすることができた[2]。こうしたことより、国際理論心理学会での招待講演を依頼された。また、TypeTraceの相互作用版のプロトタイプを作ることに成功した。これらより判断している。
[1] Hiroki Kojima, Tom Froese, Mizuki Oka, Hiroyuki Iizuka, Takashi Ikegami: A Sensorimotor Signature of the Transition to Conscious Social Perception: Co-regulation of Active and Passive Touch, Frontiers in Psychology, 8.01778, 2017 [2] Doi, I., Ikegami, T., Masumori, A., Kojima, H., Ogawa K., and Ishiguro, H. A new design principle for an autonomous robot, 14th European Conference on Artificial Life(ECAL2017), pp.490-466.
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