研究領域 | 認知的インタラクションデザイン学:意思疎通のモデル論的理解と人工物設計への応用 |
研究課題/領域番号 |
17H05856
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西川 鋭 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教 (50761144)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 知能機械 / ソフトロボット / ヒューマンロボットインタラクション / 俊敏動作 / 筋骨格 |
研究実績の概要 |
本年度は、俊敏な接触動作を実現可能とする柔軟性の高い筋骨格ロボットの開発を進め、人対人の接触インタラクションの計測の準備を整えた。 柔軟性の高い筋骨格ロボットのために、従来の筋骨格ロボットで用いられていたMcKibben型空気圧人工筋と比較して大ストロークを備えた空気圧アクチュエータを開発し、その基礎特性について調査した。その結果、このアクチュエータは最大長の70%を超える最大収縮率を備えることが確認できた。大ストロークは関節可動域を大きくとるために有効であると共に、筋配置に余裕をもたせられる、後述の張力調整機構など他の要素との組み合わせを容易にするといった利点がある。続いて、このアクチュエータを備えたプロトタイプロボットを開発した。このロボットでは、筋の張り具合を調節できる張力調整機構の実装、分解が容易な機構への改良を行うことでメンテナンス性を高め、対人実験の際に不具合が生じても素早い部品交換や修理が容易になるようにした。さらに、ロボットの柔軟性に関わる要素として背骨に着目した。上記の大ストローク空気圧アクチュエータによって駆動され、剛性調節機構が実装された背骨を開発した。 計測の準備として、接触力を計測可能なように、力センサを組み込んだグローブを開発した。このグローブはそのままロボットに装着することで、ロボットの手としても用いられるようにしている。その他、モーションキャプチャ、床反力計、筋電計など計測の準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ロボットの要素後術の開発が進み、計測に関しても準備が整ったため、おおむね当初の計画の通りの進展が見られると言える。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に引き続きロボットの開発、人対人の俊敏接触インタラクションの計測を進め、これらの結果に基づいてロボットによる俊敏な対人接触インタラクションを目指す。
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