本研究では,人と動物の他者モデルに基づくインタラクション機構の解明のため,人や動物の生理学的指標や行動を計測し,社会的シグナルの認知・学習過程を定量的に評価する.具体的には,1.インタラ クションの抽出法の確立.2.脳科学によるインタラクションの特徴抽出.3.異種間のインタラクションの数理モデル構築,を行う. 1についてはsynchronization likelihoodやdynamical network biomarkerなどをベースとする予定であったが,インタラクションはその関係性が不規則に切り替わるため,これらよりはノンパラメトリックベイズ法をもとにしてその解析を行う方法を開発した.2についてはfMRI実験のデータを解析し,有効なインタラクションに関与する脳部位を特定するとともに,インタラクションの視線解析も進めている.3については実データがないイヌヒツジモデルの解析ではなく,実データが得られ動物行動学的な価値の高い野生馬のハーディング行動を優先して解析を行った.
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