研究領域 | 動的構造生命科学を拓く新発想測定技術-タンパク質が動作する姿を活写する- |
研究課題/領域番号 |
17H05892
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研究機関 | 光産業創成大学院大学 |
研究代表者 |
横田 浩章 光産業創成大学院大学, 光産業創成研究科, 准教授 (90415547)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | タンパク質・核酸の構造・動態・機能 / 蛍光1分子イメージング / 磁気共鳴 / ナノ計測 |
研究実績の概要 |
DNA複製・修復・組み換えは、種の遺伝的連続性を保証する最も重要な機構である。これまで、これらの機構に関与する数々のタンパク質の同定と構造解析がなされ、詳細な生化学的解析に基づいて反応機構のモデルが提唱されてきた。一方、実際これらのタンパク質が機能する多数のサブユニットからなる複合体の3次元構造やダイナミクスに迫ること困難なこともあり、様々なタンパク質分子の相互作用ダイナミクスについては不明な点が多く残されている。 そのダイナミックなプロセスの理解には、直接タンパク質が機能している現場を可視化することが鍵となると考え、これまでDNA結合タンパク質1分子を直接イメージングしてきた。大腸菌のDNA修復機構で機能する非六量体型ヘリカーゼUvrDについては、単量体ではなく二量体あるいは三量体でDNAを巻き戻していることを明らかにしている。本研究では、このヘリカーゼがDNAを巻き戻す際に形成する過渡的な多量体の動的構造を蛍光1分子イメージングで解明することを目指している。 平成29年度は、UvrDの多量体のタンパク質-タンパク質間相互作用の構造ダイナミクスとDNA巻き戻し活性の関係を探るために、UvrD間の1分子FRETの観察を行った。さらに、システイン残基を1つだけもつ、C末のアミノ酸を欠如させた変異体とDNA巻き戻し活性が高い変異体を発現・精製・蛍光標識も行い、DNA上での多量体形成を蛍光1分子イメージングした。 また、UvrDの多量体構造の光検出磁気共鳴(ODMR)による解明に向けて、蛍光ダイヤモンドナノ粒子の表面修飾、ビオチン-アビジン系を利用したUvrDの蛍光ダイヤモンドナノ粒子標識を行った。ストレプトアビジンPEGコート蛍光ダイヤモンドナノ粒子を作製し、ヘリカーゼUvrDに標識し、そのDNAへの結合の蛍光1分子イメージングを試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
UvrDの特異的蛍光標識がうまくいった一方、ODMR計測には改善の余地があるため。
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今後の研究の推進方策 |
1分子FRETイメージングに関しては、ヘリカーゼUvrDのDNA上での多量体形成の様子をみながら、C末アミノ酸やDNA巻き戻し活性の高いUvrDの構造状態を1分子イメージングする。 光検出磁気共鳴(ODMR)イメージングに関しては、構築した顕微鏡と標識したヘリカーゼUvrDを用いて、蛍光1分子イメージングを実現し、DNA巻き戻しの際に形成されるヘリカーゼUvrDの多量体のDNA上での構造や動きを詳しく調べる。
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