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2018 年度 実績報告書

ヘムトランスポーターの動的結晶構造解析

公募研究

研究領域動的構造生命科学を拓く新発想測定技術-タンパク質が動作する姿を活写する-
研究課題/領域番号 17H05896
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

杉本 宏  国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学研究センター, 専任研究員 (90344043)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードヘム
研究実績の概要

アデノシン三リン酸(ATP)は生体でエネルギーのやりとりを媒介している。病原性バクテリア由来が持つタンパク質であるヘムインポーターも、ATPのエネルギーを駆動力としてヘムをペリプラズムから細胞質への膜輸送を行っている。インポーターのヌクレオチド結合サブユニットへのATP結合や加水分解反応がトランスポーターの膜貫通領域や全体構造の動きとどのように共役しているのかという基本的な現象の作動原理について明らかにすることを目的としている。通常の構造解析によってヘムの非結合型の結晶構造の決定に成功しているが、X線自由レーザーを用いた動的結晶構造を行うための技術基盤開発を行った。また、ヘム結合型の結晶を得ることが困難なことから、溶液状態での解析が可能なクライオ電子顕微鏡法による構造決定を目指してサンプル調製方法の最適化を行った。界面活性剤を用いて二つの膜貫通ドメイン(TMD)と二つのヌクレオチド結合ドメイン(NBD)からなる複合体を可溶化し、Ni-NTAカラム上でPBPとの複合体を形成させた。カラムから溶出させたPBP-TMD-NBD複合体をゲルろ過クロマトグラフィーによってさらに精製した。精製後の試料の可視吸収スペクトルはSoret帯に吸収極大を示すことから、ヘム結合型であることを確認した。ネガティブ染色した試料を透過型電子顕微鏡による画像撮影によってヘムインポーターと同程度のサイズの粒子が多数観察されたことから安定な状態であることが確認できた。さらに、連携研究者と共同で計算機科学の手法を用いて動的性質を明らかにするために、ヘムインポーターとその周りの生体膜や水分子を模した全原子モデルを再現し、ATP結合の過程をシミュレートした。その結果、大規模な構造変化の過程が明らかとなった。そしてATPの加水分解反応が適切なタイミングで起こるためのタンパク質の制御メカニズムを提案した。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)

  • [国際共同研究] University of Essex/Diamond Light Source(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      University of Essex/Diamond Light Source
  • [雑誌論文] Dose-resolved serial synchrotron and XFEL structures of radiation sensitive metalloproteins2019

    • 著者名/発表者名
      Ebrahim, A., Moreno-Chicano, T., Appleby, M. V., Chaplin, A. K., Beale, J. H., Sherrell, D. A., Duyvesteyn, H. M. E., Owada, S., Tono, K., Sugimoto, H., Strange, R. W., Worrall, J. A. R., Axford, D., Owen, R. L., Hough, M. A.
    • 雑誌名

      IUCrJ

      巻: 6 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1107/S2052252519003956

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Computational Modeling of the Outward-facing Form and the Occluded Intermediate of a Heme Importer with Bound Nucleotides2018

    • 著者名/発表者名
      K. Tamura, H. Sugimoto, Y. Shiro, and Y. Sugita
    • 学会等名
      256th American Chemical Society National Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] 分子シミュレーションによるヘムインポーターの化学-力学共役機構の解明2018

    • 著者名/発表者名
      田村康一 , 杉本宏 , 城宜嗣 , 杉田有治
    • 学会等名
      第56回日本生物物理学会年会
  • [学会発表] Structure analysis of radiation-sensitive NO-bound state of cytochrome P450nor using XFEL at SACLA2018

    • 著者名/発表者名
      H. Sugimoto
    • 学会等名
      10th International workshop on X-ray radiation damage to biological samples
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Structural basis of the ABC heme transporter in iron uptake system of pathogenic bacteria2018

    • 著者名/発表者名
      H. Sugimoto
    • 学会等名
      7th FEBS Special Meeting on ABC Proteins
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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