公募研究
本研究項目の具体的な目的は「慢性病的脳における正常・病的脳機能局在とネットワークの変容の画像化」である。先天性、または10年以上長期にわたるてんかん、つまり異常脳活動、興奮発作に罹患している患者においては、正常の機能局在、またはネットワークの偏位、さらには多焦点活動による病的ネットワークの形成が推察される。てんかん外科を行う患者では、正確なてんかん焦点同定と機能局在を行うために、頭蓋内電極を留置することがある。頭蓋内電極は脳波に比して信号・雑音比は4倍程度であり、かつ80-150Hzno高周波律動(HGA)のような高周波律動帯域を検出することも可能である。HGA解析による脳機能局在、皮質皮質誘発電位CCEPによる病的ネットワークの解明、これらによる脳機能ネットワークを離断することで、機能温存を行いながらてんかん放電の伝搬を遮断することを目的とした。対象は8例の難治姓のてんかん患者である。
1: 当初の計画以上に進展している
1,HGAによる運動・言語機能野のリアルタイムマッピング方法の確立。研究代表者らのグループは,様々な課題を負荷することで運動野、言語野、側頭葉底部のHGA分布状態を患者毎、課題別に様々なパターンを表示されることが明らかになった。2,てんかん焦点を電気刺激することで、関連した多焦点領域にCCEPが現れることを発見した。3, 多焦点間に現れるCCEPを用いてtractographyを描くことで機能的ネットワークを画像化し、そのネットワークを選択的に離断することで病的CCEPが消失した。CCEPが消失した症例ではてんかんコントロールが良好であった。
さらに症例数を増やすことで、本現象、治療法を確率していく。さらに本方法による治療後の患者の脳内ネットワーク、安静時機能的MRIによる変化、などを解析して病態を解明する。また、治療適応にも応用していきたい。症例数の増加に伴い、ホームページなどで公表して、その成績を公表する。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (11件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 10件、 招待講演 5件)
WORLD NEUROSURGERY
巻: 97 ページ: 123-131
DOI: 10.1016/j.wneu.2016.09.071
Neuropathology
巻: 37(3) ページ: 259-264
DOI: 10.1111/neup.12356
CLINICAL NEUROSCIENCE 2月
巻: 35(2) ページ: 210-214
臨床神経生理学
巻: 45(2) ページ: 102-109
CLINICAL NEUROSCIENCE 7月
巻: 35(7) ページ: 844-848
Operative Neurosurgery
巻: 382-391 ページ: 13 (3)
doi.org/10.1093/ons/opw038
脳卒中の外科
巻: 45(5) ページ: 398-402
Brain Stimulation: Basic, Translational, and Clinical Research in Neuromodulation
巻: 10(2) ページ: 512
DOI: 10.1016/j.brs.2017.01.495
39th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society
巻: - ページ: -
World Neurosurgery
巻: 99 ページ: 340~347
doi.org/10.1016/j.wneu.2016.12.033
Proceedings of the National Academy of Sciences
巻: 114 ページ: 12285~12290
doi: 10.1073/pnas.1713447114