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2018 年度 実績報告書

サル内包梗塞モデルを用いた身体表現適応機構の解明

公募研究

研究領域脳内身体表現の変容機構の理解と制御
研究課題/領域番号 17H05917
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

肥後 範行  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ長 (80357839)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードリハビリテーション / 機能回復 / 霊長類モデル / 神経可塑性 / 運動皮質 / 脳損傷 / 巧緻動作 / 皮質脊髄路
研究実績の概要

マカクサル皮質脊髄路細胞で特異的に発現していることをこれまでに明らかにしてきたSecreted phosphoprotein 1 (SPP1、別名 osteopontin)タンパクの役割を知る第一段階として、SPP1タンパクの分布を、免疫組織化学の手法を用いて調べた。健常マカクサルの第一次運動野では、SPP1タンパクは皮質脊髄路細胞の細胞体内に限局していた。SPP1はSecreted phosphoprotein 1の名前が示す通り、多くの細胞種において細胞外に分泌されることが知られている。一方、近年の研究で細胞内に留まる型のSPP1も一部の細胞種では見られることが明らかになっている。皮質脊髄路細胞におけるSPP1は細胞内型であることが明らかになった。電子顕微鏡および細胞小器官マーカータンパクを用いた解析から、SPP1はミトコンドリア内膜に存在していると考えられた。第一次運動野損傷後には、SPP1の発現は損傷領域において増殖するミクログリアにおいて見られた。ミクログリアからはSPP1タンパクの細胞外への分泌が確認された。すなわちミクログリアにおけるSPP1は分泌型であると考えられる。一方、損傷周囲の皮質脊髄路細胞におけるSPP1タンパクの発現は損傷後に一過性に減少し、リハビリテーション訓練により把握運動機能の回復が生じる損傷後3ヶ月の時点では再び上昇していた。個体毎の機能回復の程度と損傷周囲の皮質脊髄路細胞におけるSPP1タンパクの発現量には有意な正の相関がみられた。SPP1の細胞内の役割は依然不明であるが、脳損傷後の機能回復を促進する上で重要な役割を果たしている可能性がある。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Neuronal and microglial localization of secreted phosphoprotein 1 (osteopontin) in intact and damaged motor cortex of macaques.2019

    • 著者名/発表者名
      Sugiyama Y, Oishi T, Yamashita A, Murata Y, Yamamoto T, Takashima I, Isa T, Higo N
    • 雑誌名

      Brain Research

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1016/j.brainres.2019.02.021

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Functional near-infrared spectroscopy for monitoring macaque cerebral motor activity during voluntary movements without head fixation2018

    • 著者名/発表者名
      Yamada T, Kawaguchi H, Kato J, Matsuda K, Higo N
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 8 ページ: 11941

    • DOI

      10.1038/s41598-018-30416-7

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] マカクサルを用いた脳卒中後疼痛動物モデル2018

    • 著者名/発表者名
      肥後範行
    • 学会等名
      第40回日本疼痛学会
  • [学会発表] 脳損傷モデルサルを用いた脳機能回復メカニズムの解明2018

    • 著者名/発表者名
      肥後範行
    • 学会等名
      筑波大学医学医療系研究発表会
  • [学会発表] 脳の可塑性とニューロリハビリテーション2018

    • 著者名/発表者名
      肥後範行
    • 学会等名
      第36回日本ロボット学会 学術講演会
  • [学会発表] Training-induced recovery of hand movements following a focal brain lesion in macaque monkeys2018

    • 著者名/発表者名
      肥後範行
    • 学会等名
      4th EU-Japan Workshop on Neurorobotics
    • 国際学会
  • [学会発表] Macaque model of central post stroke pain2018

    • 著者名/発表者名
      肥後 範行、長坂 和明
    • 学会等名
      Emboss2018
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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