本研究では、機能的磁気共鳴・脳イメージング実験(fMRI)を機械学習的手法(パターン認識など)と組み合わせることで(脳情報デコーディング)、「食品画像を見ている際の脳活動から各種精神疾患傾向(例:肥満/摂食障害傾向)や体重、食べ物の好みなどを予測する手法」の開発を目指す。また、同一被験者の精神疾患傾向を半年から一年後に再び測定することで、「食品画像を見ている際の脳活動から将来の精神疾患傾向や体重の変化を予測する」ことを目指す。 2017年度は約30人の被験者を用いた予備心理実験を行うとともに、東北大学加齢医学研究所のMRI装置を使用するための各種手続き(事務手続きや研究計画のプレゼンテーションなど)を進めた。予備心理実験の結果からは、(1)各種精神疾患傾向(うつ傾向、不安症傾向、摂食障害傾向、衝動性傾向、強迫神経症傾向など)に顕著な男女差は認められない、(2)精神疾患同士の相関関係は概ね先行研究と一致する、(3)食べ物の好みはその食べ物の「美味しさ」と「健康さ」で概ね予測できる、ことなどが分かった。その後、これらの結果を基に、脳イメージング実験(fMRI)のデザインを確定させた。現在は脳イメージング実験(fMRI)開始のための最終準備(実験刺激呈示プログラムの作成・確認、実験手続きの詳細の確認、撮像パラメータの決定・調整など)を行なっており、2018年度には速やかに実験を始められる見込みである。
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