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2017 年度 実績報告書

行動・脳機構・遺伝子の包括的個人差モデルと個性の描出

公募研究

研究領域多様な「個性」を創発する脳システムの統合的理解
研究課題/領域番号 17H05957
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

地村 弘二  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (80431766)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードオープンリソース / 遺伝子発現 / 個人差 / 機能的MRI / 自己制御
研究実績の概要

Human Connectome Project (HCP)から提供される行動課題遂行中の機能的脳画像と,Allen Institute for Brain Scienceから提供されるヒト脳の遺伝子発現データを,MNI標準脳座標を用いて統合的に解析にすることよにり,遺伝子・脳機能によるマッピングを試みた.
N-back作業記憶課題では,作業記憶に関連する領域を遺伝子発現情報によるクラスター解析を行ったところ,前頭領域と頭頂領域で分類されることが示された.さらに前頭領域内では,前部・腹外側・後部で分離されることが示された.これらの遺伝子発現による乖離のパターンをグラフ化したところ,前部前頭前野がグラフの中心に位置することが示された.これらの結果は遺伝子発現情報による脳機能マッピングの可能性を示唆している.
オープンリソースデータとオリジナル実験を組み合わせることにより,高い信頼性で特異的な個人差を解析することを目的として,食品選択に関わる実験を行なった.被験者はまず,味と健康に関して食品を評価した.その後,機能的MRI撮像中に食品が提示され,どちらが食べたいか選択することを要求された.そして,HCPと同一手続きの異時的選択課題を行い,将来の報酬に対する自己制御を計測した.
画像解析の結果,評価が相反する食品の選択試行において,健康に良いが味が悪い食品を選ぶとき,上部前頭回の内外側が活動することが観察された.この活動は,自己制御が強い被験者ほど強くなっていることが観察された.この結果は,すぐに得られる少ない報酬よりも,大きな報酬を得るために待つことを選択する被験者ほど,健康の重視に関わる前頭領域の活動が大きくなることを示唆している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

遺伝子発現によるマッピングが予想以上に容易に可能であったため,オリジナルの実験に着手した.オリジナル実験で収集したデータとオープンリソースの統合的な解析を可能にする枠組みをデザインできた.

今後の研究の推進方策

当初の計画にあった,オープンリソースによる遺伝子・脳・行動の統合モデルを引き続き発展させながら,当初の計画にはなかったオリジナル実験をすすめていき,オリジナル実験とオープンリソースを統合的に解析していく.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Intertemporal Decision-Making Involves Prefrontal Control Mechanisms Associated with Working Memory2018

    • 著者名/発表者名
      Jimura Koji、Chushak Maria S、Westbrook Andrew、Braver Todd S
    • 雑誌名

      Cerebral Cortex

      巻: 28 ページ: 1105~1116

    • DOI

      doi: 10.1093/cercor/bhx015

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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