研究領域 | 生物ナビゲーションのシステム科学 |
研究課題/領域番号 |
17H05972
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
柳井 啓司 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (20301179)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 深層学習 / モバイル実装 / モバイルアプリ |
研究実績の概要 |
2017年度は,小型デバイス上でのDCNN による物体認識の実現のために(1)小型デバイスに適したネットワーク構造の探索,(2)活性化信号のスパース性,重みパラメータのスパース化および線形性に注目した高速化,(3)テンソル分解,直積量子化に基づくパラメータ圧縮による省メモリ化,(4) (1)~(3)の手法を統合的に用いた実アプリケーションの構築を容易化するモバイルコード生成ツールの実装を実施した.特に, (4)では,既存の深層学習フレームワークを用いてGPU サーバ上で学習したネットワークモデルを小型デバイス上で高速かつ省メモリ実行可能なC言語もしくはSwift言語コードに変換するツールを開発中で,認識ネットワークに関しては動作を確認した.
最終的には,動物用の小型ロギングデバイスでのDCNNによる画像認識の実現を目指すが,1年目は以前より行っていた,スマートフォン上での環境を前提として研究を実施した.2年目も現状ではプログラム可能なロギングデバイスの開発が遅れているため,RasberryPIのような安価な小型IoTデバイスの環境を想定して研究を行うこととする.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね予定通り進展しており,特に深層学習ネットワークの自動変換ツールはもう少しで完成するところまで研究が進んだ.自動変換ツールは我々以外にもiOS用はAPPLE社が無償公開しているツールであるCoreMLもあるが,それよりも高速動作可能であることを確認した.また,スマートフォンでの実装に関しては,リアルタイム食事認識や画像スタイル変換システムを実装し,APPストアでiOSアプリとして公開した.本研究に関連して,国内学会での受賞も2件ある.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,小型デバイス上でのDCNN による物体認識の実現のために,昨年度までに研究を実施した(1)小型デバイスに適したネットワーク構造の探索,(2)活性化信号のスパース性,重みパラメータのスパース化および線形性に注目した高速化,(3)テンソル分解,直積量子化に基づくパラメータ圧縮による省メモリ化,の成果を用いて,(4) (1)~(3)の手法を統合的に用いた実アプリケーションの構築を容易化するモバイルコード生成ツールの実装,(5) マルチスケール認識による入力画像解像度の適応的選択とそれを用いたリアルタイム一人称画像認識システムの実装,を実施する.つまり,2年目の本年度は1年目の研究を踏まえて,より実践的な研究として,小型デバイス上で実際に動作するリアルタイム一人称画像認識システムの実現と評価を目標として,(4)(5)を行う.特に, (4)では,既存の深層学習フレームワークを用いてGPU サーバ上で学習したネットワークモデルを(2)(3)の成果を踏まえて小型デバイス上で高速かつ省メモリ実行可能なC言語コードに変換するツールを開発する予定である.これまでは,主にスマートフォンをターゲットとしてきたが,本年は動物装着に搭載可能な小型IoTデバイス上(主にRasberryPi3を想定)での,高速なDCNN の実行を最終的な目標とする.
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