①ドッグラン内での臭気探:2016年12月に出産した母イヌとその仔イヌを対照に、8月から予備実験を月に1回のペースで、野外で囲いで仕切られた場所を用いて行った。仔イヌを中心に、成犬や飼い主・非飼い主など様々な組み合わせで実験を行い、データ解析方法の検討を行っている。同時に、多頭飼いされている一般家庭犬を用いて、室内およびドッグランでの予備実験を行い、臭気に限らず、イヌの行動を誘起しやすい刺激の種類や呈示タイミングの検討を行っている。さらに、より精度の高い位置情報や加速度、および動画データ取得のために、大阪大学前川先生(計画班A02)とログボットの装着について現在検討中である(4月にテストを行う予定)。また、統制された環境におけるデータ取得方法として、産業技術総合研究所大西先生(公募班A02)と共同で複数のイヌとヒトの動画解析を検討している。現在音声刺激呈示による予備実験を行った。現在データ解析中である。 ②イヌの社会構造および社会行動の詳細な解析:①の統制された環境における予備実験で得られた動画を用いて行う予定である。 ③イヌの社会構造および社会行動と内分泌の関連:当初オキシトシンを経鼻投与する予定であったが、乳酸菌(ロイテリ菌)の投与によるオキシトシン分泌促進に伴うより慢性的な変化が見出せないかについても併せて検討中である。 ④個体間の位置関係および社会構造:①での野外および統制された環境における予備実験データから位置関係取得について検討中である。 ⑤実際の狩猟の場での計測:2017年11月~2018年3月の猟期に、狩猟に参加した①の仔犬たちや成犬にGPSを装着し、およそ30回のデータを取得済みである。現在は位置情報と音声データの整理を行っている。①での解析手法が定まったら、狩猟中のデータ解析に取り掛かる予定である。
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