課題A:大規模群泳行動の自動計測 本研究では,(a) 映像中で群になって泳ぐ魚を検出・追跡する技術,(b) 検出した魚の姿勢をモデル化し時間経過に伴うその動きを獲得する技術,の開発を行った.2018年度はマイワシはクロマグロだけでなく,コウモリやメダカ,人物などへの適用を行った.現状では(b)の技術の適用先はマイワシに限定されているが,(a)はクロマグロ成魚などの大きな個体に対しても対応できるように拡張し,様々な対象に対して有効に動作することを確認した. 課題B:群泳行動データセットの構築 水族館や水産養殖場で収集した映像を用い,(a)映像データ,(b)それぞれに映っている個体の位置,を対にしたデータセットの構築を行った.対象は先述のクロマグロ成魚・クロマグロ稚魚・マイワシとし,それらについて位置データを人の眼で付与し,それを組みとしてデータセットとした.2018年度はこれまでに不足していた環境条件(暗い場合やバースト現象のバリエーション)を補うことを念頭におき,データセットを拡張した. AとBに共通して「生物移動情報学」の他の研究班との協力を密にして実施した.先のコウモリに映像解析はその一例である. また,これらの成果を広く一般にアピールするために,佐世保市の九十九島水族館 海きららにおいて,2018年9月に一般向けの研究発表会「九十九島の日 研究発表会」を九十九島水族館と共同で実施した.40名の参加者を得て好評のうちに終了した.
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