公募研究
本年度は、多感覚バーチャル環境における各感覚モダリティの役割を検討した。この実験では、マウスを顕微鏡の対物レンズ下に頭部固定し、バーチャル空間に設定したアリーナを探索させた。このときに異なるモダリティの感覚刺激を操作することで行動の変化を観察した。まず始めに視覚の影響について検討した。アリーナの壁を灰色にしたとき、色つきにしたとき、またインタラクティブな視覚刺激の提示を行わないときで比較したところ、それぞれの条件でアリーナの周辺部と中心部の滞在時間に違いが見られた。したがってマウスは実際に視覚情報を使ってバーチャル空間をナビゲーションしていることが確認できた。 続いて触覚の影響について検討した。マウスがバーチャルアリーナの壁に近づいたときに、ヒゲに空気を吹き付けて触覚刺激を与えたところ、アリーナの探索時間の分布に変化が見られた。したがって、バーチャル空間において実世界の行動を再現する上で、触覚が重要な感覚モダリティの一つであることが考えられた。イメージングについては、これまでの二光子カルシウムイメージングに加えて、本年度は広域的な脳活動の変化を可視化するために大脳皮質の広視野カルシウムイメージングをとりいれた実験を行った。またバーチャル空間における行動の違いを明らかにするために、ナビゲーションの軌跡をデータ科学的アプローチで解析することを始めた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)
Frontiers in Neuroscience
巻: 12 ページ: 412
https://doi.org/10.3389/fnins.2018.00412
Lecture Notes in Computer Science
巻: 10922 ページ: 65-81
https://doi.org/10.1007/978-3-319-91131-1_5
Neuroscience Research
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
https://doi.org/10.1016/j.neures.2019.02.004