研究領域 | 人工知能と脳科学の対照と融合 |
研究課題/領域番号 |
17H06026
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
柳井 啓司 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (20301179)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 深層学習 / 同時学習 |
研究実績の概要 |
1年目の2017年度は,画像を入力して画像を出力するEncoder-Decoderネットワークのマルチファンクション学習の研究としてスタイル変換と領域分割の組み合わせ,を発展させて,より多くの画像変換タスクを1つのネットワーク学習可能とすることを目指した.複数機能の重ね合わせと,処理の位置局所性を融合させ,プリミティブな機能要素を多数同時学習して,それらの機能と空間的な重み付けによって,様々な機能を実現する汎用的なCNN を実現できるか? について特に研究を行った. 研究の結果,異なるヘテロジーニアスな複数の機能の同時学習を条件付きネットワークで行うことは可能であることが確認できた.一方,機能の組み合わせに関しては,あらかじめ組み合わせた結果を学習しておくことで,期待する結果を得ることができた一方,単機能の学習をタスクごとの学習データで学習した場合には,テスト時に混ぜ合わた結果は必ずしも想定していたものが得られるわけではないことが分かった. 現在は,条件信号は単純に1つの層にのみ注入しているが,チャネル方向と空間方向アテンションをかける形で,多様な方法で信号を入力することによって,1つのネットワークに多様な振る舞いをさせることができるかどうか検証してきたいと考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目の2017年度は,画像を入力して画像を出力するEncoder-Decoderネットワークのマルチファンクション学習の研究としてスタイル変換と領域分割の組み合わせ,を発展させて,より多くの画像変換タスクを1つのネットワーク学習可能とすることを目指した.複数機能の重ね合わせと,処理の位置局所性を融合させ,プリミティブな機能要素を多数同時学習して,それらの機能と空間的な重み付けによって,様々な機能を実現する汎用的なCNN を実現できるか? について特に研究を行った
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今後の研究の推進方策 |
1年目はタスクを2つに限定したが,2年目は多様なタスク,例えば,領域分割,奥行き推定,エッジ検出,超解像,coloring など,Encoder-Decoder ネットワークで学習可能な多様なタスクに関して補助入力付きの「CNNスイッチ」型Encoder-Decoder ネットワークで同時学習を行い,同時学習が可能か?複数重み付けでどのような結果が得られるか? について検証を行う.さら に,プリミティブな機能要素を組み合わせることで,汎用的な機能が実現できるかどうかについて,どのようなプリミティブな機能を学習すればよいか,そしてそれらをどのように組み合わせ・重ね合わせればよいか検討を行う.最終的には,「CNNスイッチ」を利用した機能の重ね合わせに基づく機能創発が可能かどうか検証し,同時に脳科学者の協力も得て理論的な考察につい ても行う.
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