ヒトにとっても、人工知能にとっても、意思決定は不可欠な機能である。意思決定とは、複数の選択肢から、ベストを選択する機能である。我々は、意思決定の際に、最適な選択をすべく、文脈や状況に応じて、基準を調節している。しかし脳の中で、どのようなメカニズムで、その基準が設定され、利用されているかは、よくわかっていなかった。本年度は、霊長類が、複数のオプションから、熟慮の上、ベストを選択する過程を評価できる系を確立した。具体的には、刺激のsaliencyを変化させずに、ambiguityだけを操作して、サルのperceptual decisionのゆれを定量的に検証できる系を開発した。実際、刺激のambiguityを横軸に、縦軸に、サルの行動選択をとるとsigmoid状の心理関数が、サルの決断時間をとると、逆V字の線形関数が、フィットできるデータを得られた。
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