公募研究
本研究では、2019年度より2年間にわたり研究予算を繰り越してきた。当初の予定では、これまで進めてきた良渚文化の墓のデータベースに基づいて、2019年度に現地調査を行い、墓に関する最新の情報や副葬品の調査を行う予定であった。しかし、2019年度末における新型コロナウィルスの流行により、中国への渡航が叶わなくなった。2020年度および2021年度においては、新型コロナウィルスの流行がおさまり、上記現地調査を実施することを前提に、予算を繰り越してきた。当然、最終的な現地調査が必要であると判断したためである。しかし、2021年度末時点においても渡航できる目途が立たず、むしろ中国国内では行動制限が強化される現状にある。このまま最終報告を先延ばしにすると、これまで構築したデータベースや分析成果の新奇性が希薄化される懸念があり、そのために2021年度時点で本研究をまとめることを決めた。以上の理由により、本研究の成果は2018年度より進めてきた良渚文化に属する墓のデータベースおよび同年に行った現地調査に基づいたものが中心となる。本年度にこれまでの成果を総括したことで、遺構や遺物に基づいた良渚文化の墓の地域性および集団構造の一端を、客観的なデータに基づき検討することが可能となった。特に副葬品の組成から大型墓を除いた墓の階層構造を細分化できそうである点は大きな成果である。これらの結果、これまで感覚的に論じられてきた良渚文化の社会構造について、より具体的かつ詳細に復元することが可能となる。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (2件)
Food Production, Processing and Nutrition
巻: 2 ページ: ―
10.1186/s43014-020-00028-8
金沢大学資料館紀要
巻: 15 ページ: 21-29
古代
巻: 145 ページ: 37-54