研究領域 | トランスカルチャー状況下における顔身体学の構築―多文化をつなぐ顔と身体表現 |
研究課題/領域番号 |
18H04202
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
山本 芳美 都留文科大学, 文学部, 教授 (50363883)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | tattoo / 多文化共生 / 台湾 / イレズミ / 身体装飾 / 刺青 / 顔・身体学 / タトゥー |
研究実績の概要 |
◆国際シンポジウム「イレズミ・タトゥーと多文化共生――「温泉タトゥー問題」への取り組みを知る」日時:2019年3月30日(土)13:00~16:45、会場:TKP西新宿コンファレンスセンター3Bホール 研究代表者と協研究力者との4月の打ち合わせ、9月の桑原牧子・山本が合同でおこなった台湾・台東にある国立史前文化博物館での所蔵品調査、中部人類学会談話会、日常的なメールでの討論などを活かしてシンポジウムをおこなった。一般参加者が67名、取材者が30名以上集まった本シンポジウムでは、研究代表者の山本芳美が司会・コメントをした。また、研究協力者のMatt Lodder氏がJapanese tattooing in the contexts of Japonisme in late 19th century Britain」、大貫菜穂氏が「イレズミのかたちと身体の形象との連環」を発表した。また、津村文彦氏がタイ、秦玲子氏がマオリ、山越英嗣氏が日本のストリートカルチャーから、フィールドリサーチに基づいたコメントをおこなった。他分野の研究者・ジャーナリストも招き、芸術学や美術史、現代思想、文化人類学、実務的な視点から現状を検討した。
◆中部人類学談話会第244回例会◆「人類学におけるイレズミ・タトゥー研究の新展開」 日時:2018年9月22日(土)13:30~17:00、会場:名城大学ナゴヤドーム前キャンパス 西館DW401教室 中部人類学会談話会との共催による研究会である。山越英嗣「「痛み」を通じた共同体の形成 千葉市で商店を営む若者たちのタトゥーを事例として」、桑原牧子 「イレズミ=ティキの神像・偶像化と模様化 ジェル、ラトゥール再考」、津村文彦氏(名城大学外国語学部) 「東北タイにおけるサックヤンと憑依」3名が発表、山本がコメントした。人類学の研究者が15名ほど参加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度予定していた研究計画(4月の打ち合わせ、5月の領域会議、9月に研究代表者の山本芳美と協力者の桑原牧子が実施した台湾・台東の国立史前文化博物館に収容されていた岩佐嘉親南太平洋民族資料の調査、中部人類学会研究会、11月の東京外国語大学での研究協力者の大貫菜穂氏の発表、12月の領域会議、3月の国際シンポジウム」をすべて実行・完了したため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究計画では、台湾での調査活動を継続する。台湾のパイワン族彫師らと南太平洋の人々との交流がイレズミを軸とした文化復興活動を支えている。国立史前文化博物館での収蔵資料の調査も引き続き実施する。また、研究協力者の大貫菜穂氏は彫師の技法についての調査を実施する予定である。同じく、研究協力者の秦玲子氏によって、8月に来日するマオリのイレズミを軸とした東京での交流活動の調査を実施してもらう。3月に一度、イギリス在住のMatt Lodder氏以外の研究協力者とともに研究会をおこない研究終了とする。 アウトリーチ活動としては、沖縄県立博物館・美術館の企画展「台湾展 黒潮がつなぐ隣ジマ」に協力する。また、その連携企画展として「沖縄の針突、台湾原住民族のイレズミ」展を同館の企画展示室にて、企画・実行委員会代表の立場で9月か10月に1週間程度実施する予定である。
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