公募研究
私達は,ヒトは目の前に他者がいる時に何ら意識することがなくとも,自発的な体の動きや瞬目が自動的に他者のそれに影響を受けること,そしてそのような他者と相互に影響し合う場面の神経基盤は二者間での脳活動同期として調べうることを明らかにしてきた.それでは,より複雑な課題を協力しておこなう場合にも,自分の行動またはそれに後続する意思決定は,相手から影響をうけるのであろうか?パートナーからの影響量に,文化差の影響はあるのだろうか?これらの問いに答えるために,我々は二者がインタラクションしている最中の行動指標を,dual eye-trackingシステムにより計測する研究を,西欧文化圏と東洋文化圏にそれぞれ属するドイツおよび日本でおこなった.さらにその神経基盤を,二者同時記録MRI(Hyperscanning MRI)により計測する研究を計画した.参加者の前におかれたディスプレイには,パートナーのリアルタイムでの顔映像が呈示されている.顔映像の周囲には,上下左右に合計16個のガボールパッチが呈示されている.参加者は,「この中に輝度コントラストの異なるターゲット刺激が一つあり,それを探すように」と教示された.ドイツ人を対象とした実験の結果,画面にうつる相手の顔映像がリアルタイムでのパートナーのそれである場合(LIVE条件)と録画されたものである場合(REPLAY条件)を比較すると,LIVE条件で相手の視線の動きだけでなく,どこにターゲットがあったかを答える意思決定のフェーズにおいても強く影響を受けることがあきらかになった.この結果を受けて,日本人被験者を対照としたデータの収集を続けている.またCOVID-19による渡航制限および実験への制限のため,ドイツと共同研究として計画している脳機能イメージング研究は延期されているが,状況が改善次第,データ収集を開始する予定である.
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 6件)
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