公募研究
本研究では、人間の視覚情報処理の学習モデルとして、深層ニューラルネットに基づく教師なし学習を仮定し、大規模な顔・身体画像データを学習した深層ニューラルネットワークが、どのような顔・身体情報表現を自己組織的に獲得するのか明らかにすることを目標とする。研究計画の初年度にあたる本年度は、当該新学術領域の計画班でフィールドワークを行うグループから、さまざまな文化圏で収集された画像データを提供いただき、教師なし学習による画像特徴量や画像統計量を文化圏別に解析し、比較検討することで、顔と身体表現の文化差を生み出す基礎的メカニズムの情報工学的解明をめざした。本年度の研究成果として、脳の視覚情報処理を模倣した深層ニューラルネットの開発を進め、別途動物から記録した神経情報と、開発した深層ニューラルネットの情報表現が良く対応することを検証した。さらに、脳内の顔情報処理を調べる心理物理実験を行い、論文発表や学会発表として成果発表することができた。また、計画班員との共同研究体制を構築し、文化圏別の顔画像解析を行うなど研究の進展があった。
2: おおむね順調に進展している
教師なし学習に基づく、深層ニューラルネットの開発が、当初の研究計画通りに進展している。また、本新学術領域の計画班員との共同研究体制が確立し、アフリカを中心とするフィールドワーク研究によって取得された顔画像や動画データの提供をうけ、教師なし学習に基づく画像解析を行い、トランスカルチャーに基づく顔身体学研究に進展が見られた。この他、顔情報処理に関する心理物理研究も並行して進めた結果、研究成果を論文発表することができた。
引き続き、教師なし学習に基づく、深層ニューラルネットの開発をすすめ、特に顔画像処理における情報表現の発展を検証する。さらに、本新学術領域の計画班員がすすめるアフリカを中心とするフィールドワーク研究と協力して、提供いただいた顔画像や動画データを解析し、トランスカルチャーに基づく顔身体学研究を進めていく。
すべて 2019 2018 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Scientific Reports
巻: 9 ページ: 1-12
10.1038/s41598-019-40370-7
Journal of Vision
巻: 18 ページ: 756-756
2018 IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics (SMC)
巻: - ページ: 105-109
10.1109/SMC.2018.00028
https://unit.aist.go.jp/hiri/nrrg/index.html