公募研究
今年度は新たにジアザポルフィリンマンガン錯体を合成し、種々触媒反応を検討したところ、C-H結合の直接的フッ素化反応を進行させることを見いだした。有機フッ素化合物はフッ素の原子サイズ、電気陰性度に由来し特有の性質を持つ。例えば、アルキル基の水素の一部をフッ素に置き換えることで、生物活性、代謝安定性が向上することが知られている。また、近年ではPETイメージングにおいて、18F同位体が用いられている。そのため、アルキル基の一部を直接フッ素化する反応の開発は近年さかんに研究されている。ポルフィリンマンガン錯体が触媒として働くことは知られていた。今回合成したジアザポルフィリンマンガン錯体はポルフィリンマンガン錯体よりも高い触媒活性を示した。電気化学的測定から、ジアザポルフィリンマンガン錯体の方が心金属の電子密度が低下していることが明らかとなり、この性質が触媒活性に影響を与えていると考えている。
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