研究領域 | 高難度物質変換反応の開発を指向した精密制御反応場の創出 |
研究課題/領域番号 |
18H04263
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
矢崎 亮 九州大学, 薬学研究院, 助教 (70635812)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ラジカル / 立体障害 / アミノ酸 / 脱水素型 / アルキル化 / ブロモエステル / 炭化水素 |
研究実績の概要 |
環境調和性に優れた高難度分子変換技術は、新規ケミカルスペースの開拓を可能とする次世代ツールとしてその開発研究は急務である。中でも、極度の立体障害を克服するための触媒的な分子変換技術は、従来法では合成困難な高密度官能基密集型の新規機能性分子合成のための根幹技術と成り得る。しかし依然として極度の立体障害の克服、とりわけ、触媒的な方法論の確立には至っていない。本研究課題では、極度の立体障害を克服するための触媒的なラジカル型クロスカップリング反応の開発を目的として研究を行った。これまでにアズラクトンを用いた四置換炭素構築型のクロスカップリング反応の開発に成功したが、依然として連続四置換炭素の構築反応では低収率であり改善の余地が残されていた。そこで今回新たなアミノ酸由来の安定ラジカルを生成すべく、アミノ酸誘導体とレドックス活性な金属触媒の検討を行った。その結果、銅触媒を用いることで連続四置換炭素構築型のクロスカップリング反応が円滑に進行することを見出した。本反応では配位子の選択が重要であり現在さらなる反応性の向上を目指し検討を行っている。また連続四置換炭素構築型のクロスカップリング反応としてより環境調和性に優れた脱水素型の反応開発にも着手した。種々酸化剤の検討を行ったところアミノ酸誘導体と炭化水素との脱水素型のクロスカップリング反応が進行することを見出した。今後は過剰量用いている炭化水素の低減化を行って行く予定。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
立体障害型クロスカップリング反応により、アミノ酸誘導体を用いた連続四置換炭素構築型反応の開発に成功した。本反応ではハロゲン化アルキル試薬だけでなく、炭化水素を直接用いた脱水素型の反応へと展開が可能であった。
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今後の研究の推進方策 |
アミノ誘導体から触媒的に安定ラジカルが生成可能であることを見出したため、本鍵中間体を用いてC-H結合活性化や様々なクロスカップリング反応へと展開する。また得られた独自のアミノ酸誘導体の機能評価も行う。
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