研究領域 | 高難度物質変換反応の開発を指向した精密制御反応場の創出 |
研究課題/領域番号 |
18H04268
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
竹本 真 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20347511)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | メタロリガンド / メタロホスフィン / ルテニウム / イリジウム / ビピリジン |
研究実績の概要 |
本研究は、メタロリガンドの特異な機能創出に基づく高難度分子変換法の開発を目的としている。均一系触媒の開発において独創的な配位子の開発が重要な役割を演じてきたが、これまでに開発された配位子のほとんどは、pブロックの非金属元素を利用したものであった。本研究では、配位子のなかでも特に重要なホスフィンをはじめとするリン配位子に着目し、リン原子の置換基として光機能性、酸化還元活性、キラリティなどの複合的な機能を有するルテニウム金属ユニットを導入したメタロホスフィン配位子RuP2を開発した。RuP2の合成方法を確立するとともに、それを配位子とするロジウム、イリジウム、銅などの新規遷移金属錯体を合成し、それらの構造を単結晶エックス線構造解析や各種分光学的手法により明らかにした。触媒活性を検討することにより、RuP2を支持配位子とするイリジウムヒドリド錯体が、アセチレン類の立体選択的部分水素化反応の優れた触媒となることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、配位子の骨格内に金属元素を導入した「メタロリガンド」の特異な機能創出に基づく高難度分子変換法の開発を目的としている。配位子のなかでも特に重要なホスフィンをはじめとするリン配位子に着目し、リン原子の置換基として光機能性、酸化還元活性、キラリティなどの複合的な機能を有するルテニウム金属ユニットを導入したメタロホスフィン配位子RuP2を開発した。これまでにRuP2の合成方法を確立するとともに、それを配位子とするロジウム、イリジウム、銅などの新規遷移金属錯体を合成し、それらの構造を単結晶エックス線構造解析や各種分光学的手法により明らかにしている。また、得られた錯体の触媒活性を検討することにより、RuP2を支持配位子とするイリジウムヒドリド錯体が、アセチレン類の立体選択的部分水素化反応の優れた触媒となることも見出している。しかし、それらの反応においてRuP2が高活性をもたらす理由の解明には至っていない。また、RuP2に期待される光機能性を活用した新反応の開発にも成功していない。これらのことから研究の進展はやや遅れていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度までに開発したメタロホスフィン配位子RuP2を用いた触媒の開発に取り組む。特にRuP2配位子の光化学および電気化学的特性を活用し、CO2の還元やフルオロホルムの資源化など現代の環境・エネルギー問題の解決に資する高難度な物質変換に取り組む。また、RuP2配位子が単純な二座リン配位子としてだけでなく、配位子骨格内の炭素原子やルテニウム原子をも配位原子とするPCP配位子やPRuP配位子として働くことを昨年度に見出しており、このような特異な配位形式に基づく反応性の開拓にも取り組む予定である。
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