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2018 年度 実績報告書

HSCによるIa型超新星の早期観測による親星の研究

公募研究

研究領域なぜ宇宙は加速するのか? - 徹底的究明と将来への挑戦 -
研究課題/領域番号 18H04342
研究機関東京大学

研究代表者

土居 守  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (00242090)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードIa型超新星 / 早期発見 / 伴星 / 同時測光 / 宇宙膨張
研究実績の概要

Ia型超新星の早期観測を実現するため、大学院生・研究協力者と共にすばる望遠鏡の観測時間を獲得をめざし観測提案を提出したが、残念ながら今年度は採択されなかった。一方、Hyper Suprime-Cam のStrategic Survey Programの繰り返し観測が2018年秋に実施されたので、その解析を進めている。
15バンド同時撮像カメラDMCの改修については望遠鏡微動調整のためのガイダーを購入、カメラ部分の改修も引き続き継続して作業中である。
研究協力者の大学院生Jian Jiang氏他と既存の早期観測データを調べ、明るいIa型超新星と暗いIa型超新星は早期増光の割合が大変高いことを示した。一方で、通常の明るさのIa型超新星で早期増光を示すものはほとんど見つからなかった。これはIa型超新星の起源が複数ある可能性が高いことを示す重要な結果である。この結果は国際会議および査読論文で発表した。また早期増光について、2016年に発見したヘリウム外層爆発起源の超新星爆発を念頭に、ヘリウム外層爆発モデルと、伴星や星周物質との相互作用を比較した理論予想のより詳しい研究を研究協力者の京都大学の前田氏らと発表した。
さらに、スペクトル線の特徴(シリコンやチタン) に注目しなが ら、色と明るさとスペクトル等の関係について研究協力者の大学院生と興味深い特徴を見つけ、査読論文として投稿準備を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

すばる望遠鏡の共同利用観測時間に応募をしたが、残念ながら採択されなかった。すばる望遠鏡、特にHyper Suprime-Camの採択割合は低いため、ある程度やむを得ない面がある。そこで既存のデータを広く調べることを大学院生で研究協力者のJian Jiang氏らと行った。その結果、計画当初の目標としていた10個を超える11個の早期増光を文献のデータから見つけることができた。この個数は当初の目標の個数を超えている。それらを調べた結果、明るいIa型超新星ではほぼすべてが早期増光を示し、暗いIa型超新星でも高い割合で早期増光を示す一方、普通の明るさのIa型超新星では早期増光がほとんど見つからなかった。これは科学的に大きな進展である。ただし、普通の明るさのIa型超新星についてはさらに統計を増やす必要がある。また15バンド同時撮像カメラDMCの改修についてはまだ各種作業中であり遅れている。全体としておおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

すばる望遠鏡の観測時間については、引き続き共同利用観測の応募を続け、他の採択された観測時間とあわせて、Ia型超新星の早期観測を目指す。2019年秋のHyper Suprime-Cam戦略枠時間にあわせた共同利用観測提案を提出した。また2019年5月には別に採択されたHyper Suprime-Camの観測も利用して探査を行う予定である。
また、木曽観測所シュミット望遠鏡で広視野カメラTomo-eが2019年4月に完成予定であるため、15バンド同時撮像カメラDMCの改修を進め、近傍超新星の早期観測によっても統計の不足を補っていく。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] ヨーロッパ南天天文台(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      ヨーロッパ南天天文台
  • [雑誌論文] Type Ia Supernovae in the First Few Days: Signatures of Helium Detonation versus Interaction2018

    • 著者名/発表者名
      Maeda Keiichi、Jiang Ji-an、Shigeyama Toshikazu、Doi Mamoru
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 861 ページ: 78~78

    • DOI

      10.3847/1538-4357/aac8d8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Surface Radioactivity or Interactions? Multiple Origins of Early-excess Type Ia Supernovae and Associated Subclasses2018

    • 著者名/発表者名
      Jiang Ji-an、Doi Mamoru、Maeda Keiichi、Shigeyama Toshikazu
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 865 ページ: 149~149

    • DOI

      10.3847/1538-4357/aadb9a

    • 査読あり
  • [学会発表] "Multiple Origins of Early-excess Type Ia Supernovae and Their Implications"2018

    • 著者名/発表者名
      Jian Jiang
    • 学会等名
      Massive Stars and Supernovae" (San Carlos de Bariloche, Argentina)
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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