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2018 年度 実績報告書

遠方Ia型超新星による宇宙膨張の測定

公募研究

研究領域なぜ宇宙は加速するのか? - 徹底的究明と将来への挑戦 -
研究課題/領域番号 18H04345
研究機関東京大学

研究代表者

安田 直樹  東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 教授 (80333277)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード超新星 / 宇宙膨張 / ダークエネルギー
研究実績の概要

本研究ではIa型超新星を使った宇宙膨張測定によりダークエネルギーに制限をつけることを目標としている。すばる望遠鏡に搭載されたHyper Suprime-Cam (HSC)による超新星サーベイ観測が2016年から2017年にかけての6か月間実行され、そのデータをもとに研究を進めている。
2018年度は、このデータからの超新星サンプルの選定および超新星のタイプ分類、母銀河の赤方偏移の取得を行った。6か月間のHSCによる観測で、超新星は1824個が検出され、多色光度曲線を使ったタイプ分類により、433個がIa型超新星の可能性が高いことが分かった。このうち、129個に精度の高い赤方偏移情報があり、58個はダークエネルギーの時間変化を制限するのに有効な赤方偏移1以上の遠方に存在する。ハッブル宇宙望遠鏡が過去10年間に実施した各種サーベイ観測で発見された同様に遠方のIa型超新星の数が50個程度あることを考えるとHSCによる超新星探査がいかに効率的であるかが分かる。
一方、多くの超新星については、精度の高い赤方偏移情報が不足しており、それらを主にオーストラリアのAnglo-Australian Telescopeに搭載された多天体分光器で観測することで487個について新たな赤方偏移を得ることができた。
さらに、HSC観測による測光精度の向上、一部のサンプルについてハッブル宇宙望遠鏡で取得した赤外線データの解析などを同時に進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

最終的な結果に至るために必要な手順は確認できており、必要な観測データもほぼ取得できている。サンプル数が大きいため必要な情報、特に、赤方偏移がすべてのサンプルについて得られない可能性があるが、本研究に重要となる赤方偏移1以上の遠方のサンプルについては国際協力で主要な大型望遠鏡を使った追観測を実施しており、大きな影響はないと考えている。
一方、2018年度に実施を予定してた、別の領域での超新星探査観測が、すばる望遠鏡の立地するハワイ島での火山の噴火に伴う地震の影響や望遠鏡のトラブルなどにより2019年度に延期になっているので、研究期間内にすべての解析を終えられるかどうかは不明である。

今後の研究の推進方策

現在すでにあるデータについては、測光ゼロ点も含めたHSCによる測光精度の向上、宇宙論的解析に向けたより厳しいIa型超新星の選択基準の策定、赤方偏移を含む母銀河の性質の抽出、ハッブル宇宙望遠鏡による赤外線追観測データの処理などを進めていく必要があると認識している。これらについては、国際協力による共同研究も前提にして研究を推進していく予定である。
また、2019年9月から別の領域での超新星探査観測を計画している。超新星検出のための解析処理は前回の観測で使ったものを流用する予定であるが、偽天体のふるい落としなどのために機械学習なども取り入れて、より高速化を図る予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] LPNHE(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      LPNHE

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公開日: 2019-12-27  

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