近未来の大規模銀河サーベイによる暗黒エネルギー研究のために、宇宙シアと呼ばれる大規模構造による弱い重力レンズ効果が注目されている。この宇宙シアの観測から暗黒エネルギーの性質を導くために莫大な数の微小な銀河の形状の正確な測定が決定的に重要である。本研究では新たな銀河形状の測定法と観測に付随した様々な系統的な雑音を除去する方法を提案し、それらを実際の観測データに適用できる準備を整えた。 形状測定においては高次モーメントを使う方法、通常の2次モーメントの改良法を開発して、実際の観測データに適用し銀河団による弱い重力レンズによって従来の方法より詳細な中心部の構造が得られることを示した。このことから宇宙シアの測定にも有効であることが期待され、すばる望遠鏡の解析パイプラインに組み込むことにしている。これは現在、。進行中である。 雑音除去については、観測領域にある本来点上である星像から補正する。これをPoint Spread Function(PSF)補正というが、従来のPSF補正は微小で淡い銀河像に対して非常に精度が悪くなるため、経験的に得られた補正法を使う必要があった。本研究では経験的に得られた方法に依存しない方法でのSF補正法を開発し、実際に有効であることを示した。
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