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2019 年度 実績報告書

ガス冷却でつくる広帯域・高透過率なCMB光学系-反射防止のいらない断熱フィルター

公募研究

研究領域なぜ宇宙は加速するのか? - 徹底的究明と将来への挑戦 -
研究課題/領域番号 18H04363
研究機関国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

研究代表者

小栗 秀悟  国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (20751176)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード宇宙物理 / CMB / 光学フィルター
研究実績の概要

宇宙背景放射 (CMB) に含まれる偏光信号パターン「Bモード」を観測することは、インフレーション宇宙論を実験実証する有力手段である。Bモードは微弱であるため、多ピクセルの電波用超伝導検出器を用いて高統計分析する。その際に問題となるのは、電波を取り入れる窓からの放射熱(赤外線)の侵入である。CMB望遠鏡の高感度化は、赤外線を選択的に遮断する断熱フィルターの開発と切っても切れない関係にある。
本研究では、まったく新しい冷却手法であるガス対流冷却式断熱フィルターの開発を行った。従来の大型の断熱フィルターは、熱伝導を用いた冷却方法が主流だが、熱伝導性が悪い物質を用いる場合は断熱フィルターを一様に維持するのは困難である。本研究の主眼は、このフィルターとしての材料と、冷却手法を切り分ける、という点にある。フィルターをヘリウムガスで充満させた容器に封入し、このガスの滞留によってフィルターを冷却する。こうすることで、フィルターの材質にかかわらずに高い冷却能力を持たせることが可能になる。
本研究の大きな課題は、どのように真空中でヘリウムを保持するか、である。フィルターとしての特性上、電波の通り道を容器が遮るわけにはいかないので、風船のような構造で、薄いフィルムで封入する。初年度は、検証用の容器を作成して、一面のみミクトロンというフィルムを用いて、1気圧のヘリウムガスを真空下で保持することに成功した。当該年度はこれを発展させて、実際に使用可能なフィルターを製作した。向かい合わせにフィルムの窓を用意し、その内部のヘリウムを封入する。また、今回は容器の体積を少なくし、フィルムの膨らみや萎みを積極的に活用することで、ガス圧によるストレスを軽減する設計に変更した。断熱フィルターとしての性能を定量的に評価する、というところまでは至らなかったが、ガス冷却式フィルターの技術的な課題を克服することができた。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Search for hidden-photon cold dark matter using a K-band cryogenic receiver2020

    • 著者名/発表者名
      Tomita N.、Oguri S.、Inoue Y.、Minowa M.、Nagasaki T.、Suzuki J.、Tajima O.
    • 雑誌名

      Journal of Cosmology and Astroparticle Physics

      巻: 09 ページ: 012-00 ~ 012-13

    • DOI

      10.1088/1475-7516/2020/09/012

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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