公募研究
大阪大学レーザー科学研究所のハイパワーレーザーを用いたレーザーショック実験により、高温高圧の液体金属の状態を生成し、高精度ユゴニオデ ータの蓄積を行った。1-3E13 W/cmまでのエネルギー密度でターゲット照射を行うことにより、鉄合金の圧力150-400 GPa、温度5,000-14,000 Kレンジの超高圧高温状態の生成を確認した。独自に開発したターゲットにより、鉄合金試料中での衝撃波減衰の効果を補正した高精度データの取得に成功した。鉄合金試料は、クォーツまたは酸化マグネシウムウィンドウ上にCVD法によって成膜した。鉄合金内部を伝搬する衝撃波の速度は、試料厚を一定値で伝搬する平均値として最初に決定する。次に同じショットで同時に得られる参照物質内の衝撃波減衰の勾配と、鉄合金/酸化マグネシウムウィンドウ界面直後の粒子速度をから、鉄合金試料内の衝撃波速度減衰の勾配を推定し、平均速度からの補正を行なった。この補正を数回繰り返すことにより、より信頼性の高いユゴニオデータとユゴニオ衝撃圧縮曲線を決定できることを実証した。また同様のターゲットショットにおいて、これまでの研究で確立されてきた光反射率計測と熱放射計測も合わせて行うことで、溶融鉄合金の電気伝導度および熱伝導度を明らかにするためのデータも蓄積した。衝撃圧縮下の圧力-密度-温度が特定された輸送特性実験データと第一原理計算との比較検討を開始した。さらに、決定された鉄合金衝撃圧縮曲線上の、150 GPa程度までの超高圧高温の状態について、フェムト秒パルスのX線自由電子レーザープローブを照射して得られた超高速X線回折パターンに関する検討も進めることができた。ケイ素含有量の異なる鉄合金(Si 6-16質量%)について既存の静的圧縮実験と比較した結果、相転移圧力やカイネティクスに有意な影響があることが示唆された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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