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2018 年度 実績報告書

適合格子細分化法を用いた太陽圏の高解像モデルの構築と銀河宇宙線の変調

公募研究

研究領域太陽地球圏環境予測:我々が生きる宇宙の理解とその変動に対応する社会基盤の形成
研究課題/領域番号 18H04449
研究機関法政大学

研究代表者

松本 倫明  法政大学, 人間環境学部, 教授 (60308004)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード太陽圏 / 太陽風 / MHD / 衝撃波 / AMR / 適合格子細分化法
研究実績の概要

当該年度の成果は以下のとおりである。
(1) スキームの改良を行った。Dednerの磁荷消去法のcrパラメータを固定値から太陽からの距離に比例するようにした。これはセルの大きさがおおよそ太陽からの距離に比例することを根拠とする。この改良によってすべてのスケールにおいて磁荷に由来する数値不安定を抑えることができた。
(2) スキームの改良を行った。太陽風は超アルフヴェン速度のため、通常のMHDスキームを用いると内部エネルギーが負になって計算が壊れることが多い。この状況を改善するためにガスの内部エネルギーの移流を独立に解いた。衝撃波を精度良く解くためには、通常のMHDスキームが好ましい。いくつかのテスト計算を行って、独立な内部エネルギーをどのように解に反映させるかを判断した。
(3) 上記の改良されたスキームを用いて広い計算領域を大幅に拡張した。これまで太陽から距離15auの範囲を計算領域としていたが、計算領域を100auまで広げて大規模な計算を行った。
(4) 新しいMHDスキーム Boris-HLLD 法を開発し、論文として出版した。MHDシミュレーションでは、極端に低い密度領域が現れると、アルフヴェン速度が増加し、タイムステップが極端に短くなる問題が頻繁に発生する。この問題を回避するためにBorisのアルフヴェン速度低下法と呼ばれる方法が用いられてきた。この方法は昔ながらの低分解能スキームに実装されていたため、現代的な高解像スキームへの実装が望まれていた。そこで我々は高解像スキームであるHLLD法にBorisのアルフヴェン速度低下法を実装した。論文では広いパラメータ空間に渡ってスキームの安定性を調べ、非定常問題への適用例を示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

太陽風は超アルフヴェン速度のため安定に解くことが難しく、シミュレーションの進捗が当初の予定よりも遅れた。

今後の研究の推進方策

シミュレーションにおいて内部エネルギーを独立に解き、スキームを安定にすることができたので、大規模なシミュレーションを実施する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] A Dynamical Model of the Heliosphere with the Adaptive Mesh Refinement2018

    • 著者名/発表者名
      Tomoaki Matsumoto
    • 学会等名
      ASTRONUM 2018
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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