研究領域 | 次世代物質探索のための離散幾何学 |
研究課題/領域番号 |
18H04480
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
吉田 靖雄 金沢大学, 数物科学系, 准教授 (10589790)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 機械学習 / 準粒子干渉 / 走査トンネル顕微分光 |
研究実績の概要 |
準粒子干渉(QPI)はSTMの特徴の一つである走査トンネル分光(STS)を用い、二次元電子系や超伝導体表面の探針直下の状態密度を二次元的に観察し、そのフーリエ変換像を通して、系のエネルギー分散関係や、超伝導の担い手であるクーパー対(2電子の対)の性質を知ることが出来る。この手法は、高温超伝導を含む非従来型超伝導の発現機構に迫る強力な手段として知られている。ただ、その高い有用性の一方で、長ければ1週間以上にも及ぶ測定時間の長さが大きな課題となっている。 そこで、本研究では、機械学習を用いたQPIの効率測定を目指した、情報計測手法の開発を行っている。これまで、申請者らは最も単純なQPIパターン(:電子の波の性質を反映した干渉縞)を示す銀表面を極低温STMで観察し、その解析において二次元画像からランダムにデータ点を減らし、圧縮センシングによるデータの復元を行った。その結果、得られる情報を変えずに、測定点を10%以下まで落とせることを明らかにした。今回はその成果を踏まえて、QPIの真髄である電子のエネルギー分散関係の見積もりの高速化を目指した解析を行う。さらに、実際にランダムサンプリングによる測定を行い、測定の高速化を検証する。 初年度は、ランダムQPI計測プログラムを作成し、異なる条件(測定時間、測定領域の広さ)におけるランダムQPI計測を金の(111)面で行った。その結果に対し、従来的な最小二乗法による解析を行い、エネルギー分散の見積もりを行なった。その結果、同じ測定点数で実空間の領域を広げた測定をすると、測定範囲を広げることで、分散の線幅が細くなり、実計測においても波数空間の高精度化が行えることが明らかになった。この結果は、 実質的に計測の高速化が行えることも示唆している。現在、これらのデータに対して、LASSO による解析を行い、ノイズの十分に除去された高分解の分散曲線が得られるかどうかの検証を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の所属変更に伴い、研究設備の移設等に時間がかかったために、当初の計画通り研究が進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
作成したランダム計測プログラムを元に行った測定結果の解析を行い、ランダム計測とLASSO解析による測定の効率化の検証を進める。
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