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2019 年度 実績報告書

piRNA産生場であるタンパク質-RNA凝集体Nuageの形成機構の解明

公募研究

研究領域分子夾雑の生命化学
研究課題/領域番号 18H04539
研究機関東京大学

研究代表者

佐藤 薫  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (20548507)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードpiRNA / RNA顆粒 / Nuage / Vasa / トランスポゾン
研究実績の概要

piRNAは生殖組織特異的に産生される小分子RNAであり、生殖細胞においてトランスポゾンの発現抑制を行う。piRNAは、プライマリー経路とピンポン経路の2つの経路によって産生され、プライマリー経路によって産生されたpiRNAがピンポン経路を駆動することでピンポンpiRNAが産生される。piRNA産生の必須因子(piRNA因子と呼ばれる)の多くはRNA結合モチーフをもち、細胞質において顆粒状の局在パターンを示す。特に、生殖細胞では、それらpiRNA因子が凝集し、非膜性の細胞質顆粒体Nuage(ヌアージュ)を形成することから、Nuageの形成がピンポンpiRNA産生に重要であることが示唆されている。本研究では、Nuageに局在する2つのpiRNA因子VasaとMaelに着目して研究を進めた。VasaはRNAヘリカーゼドメインの他に、N末に天然変性領域(IDR)を有し、ヒトVasaホモログDDX4はN末のみで液液相分離(LLPS)により非膜性顆粒を形成することが報告されている。本研究では、in vitroにおいてVasaが顆粒を形成すること、さらに、RNAの有無によりその顆粒数・顆粒経が変化することを明らかにした。さらに、N末のIDRだけでなく、RNAヘリカーゼドメインのRNA結合活性も顆粒形成に重要であることを明らかにした。また、Maelについて、MaelはVasaとは異なるSub-type Nuageを形成し、Maelが顆粒を形成することで重要なpiRNA因子であるSpn-Eを局在させ、Vasaとの結合を促進することが示唆された。また、Maelは、HMG-boxドメインとMAELドメインを有し、両ドメインがMaelの分子機能、顆粒形成に必須であることを明らかにした。本研究において、VasaとMaelの異なる細胞質顆粒の形成機構とpiRNA生合成における機能を明らかにした。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2019 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Essential Roles of Windei and Nuclear Monoubiquitination of Eggless/SETDB1 in Transposon Silencing2019

    • 著者名/発表者名
      Osumi K, Sato K, Murano K, Siomi H, Siomi MC.
    • 雑誌名

      EMBO Reports

      巻: 20 ページ: e48296

    • DOI

      https://www.embopress.org/doi/full/10.15252/embr.201948296

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Requirement of a novel factor Egret for piRNA production from the dual-strand clusters in Drosophila ovary.2019

    • 著者名/発表者名
      Sato K, Hirakata S, Siomi MC.
    • 学会等名
      Russia joint meeting.
    • 国際学会
  • [学会発表] Egret, a novel factor required for producing piRNAs from the dual-strand clusters in Drosophila ovary.2019

    • 著者名/発表者名
      Sato K, Siomi MC.
    • 学会等名
      Keystone Symposia Small Regulatory RNAs (D7).
    • 国際学会
  • [学会発表] ショウジョウバエpiRNAクラスター転写における新規因子Egretの機能解析.2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤薫、平形樹生、塩見美喜子.
    • 学会等名
      第42回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] L(3)mbt による piRNA 因子の転写制御機構の解析2019

    • 著者名/発表者名
      山本瞳、佐藤薫、吉種光、深田吉孝、塩見美喜子
    • 学会等名
      RNA学会年会
  • [学会発表] piRNA を介したトランスポゾン転写抑制機構における Mael と Brm の機能2019

    • 著者名/発表者名
      大西遼、佐藤薫、村野健作、高橋亜紀子、根岸瑠美、塩見春彦、塩見美喜子
    • 学会等名
      RNA学会年会
  • [学会発表] lucidation of the molecular function of Maelstrom in the germline piRNA pathway.2019

    • 著者名/発表者名
      Namba Y, Sato K, Sumiyoshi T, Miyata Y, Siomi MC.
    • 学会等名
      RNA学会年会
  • [学会発表] Functional involvement of a novel factor Egret in piRNA production from the dual-strand clusters in Drosophila ovary.2019

    • 著者名/発表者名
      Sato K, Hirakata S, Siomi MC.
    • 学会等名
      RNA学会年会
  • [備考] 塩見研究室 東京大学大学院 理学系研究科 生物科学専攻

    • URL

      http://www-siomilab.biochem.s.u-tokyo.ac.jp/index.html

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公開日: 2021-01-27  

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