現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細胞内に存在する全タンパク質のうち、およそ3割は金属イオン(Fe, Cu, Znなど)を活性中心として結合することで、電子伝達や様々な酵素機能を発揮している。実際、金属イオンを結合できなければ、金属タンパク質は適切な生理機能を発揮できず、様々な疾患を発症させることも知られている。タンパク質への金属イオン結合は生命現象を維持する上で非常に重要な反応であるにもかかわらず、その細胞内制御に関する詳細なメカニズムについては未だ多くの点が明らかとなっていない。平成30年度には、大腸菌をモデルにすることで、分子夾雑な細胞内環境における銅イオンの運搬・供給メカニズムに関する検討を進めた。特に、ペリプラズム空間において主要な銅タンパク質であるSodCへの銅イオン供給・酵素活性化を制御する因子について研究を行い、夾雑環境におけるSodCの銅イオン獲得メカニズムに関して知見を得ることができた。よって、本研究課題に関する現在までの進捗状況は概ね順調であると考えられる。
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