研究実績の概要 |
研究計画初年度においては、以下の投稿論文一編が学術誌に掲載された。"Constraints on MeV dark matter using neutrino detectors and their implication for the 21-cm results", Niki Klop, 安藤真一郎, Physical Review D誌、98巻、第10号、103004、(2018年)。また同結果を2018年8月に行われた国際研究会TeV Particle Astrophysicsにおいて筆頭著者であるNiki Klopがポスター講演を行なっている。この研究成果は、超新星背景ニュートリノに深く関連する、現在あるいは将来のニュートリノ検出機において、暗黒物質対消滅の検出可能性を探ったものであり、次年度以降の研究においてバックグラウンドの取り扱いを含めて貢献するものである。 また、スターバースト銀河、またブラックホールなどの様々な天体からのニュートリノ放射とその検出可能性を探った業績として"Angular power spectrum analysis on current and future high-energy neutrino data", Ariane Dekker, 安藤真一郎, Journal of Cosmology and Astroparticle Physics誌 1902巻、002、(2019年)を投稿、出版した。ここではIceCube検出器などの大型ニュートリノ望遠鏡において、スターバースト銀河に代表されるような天体から期待されるニュートリノイベントを予言、またデータの解釈を行い、パワースペクトルというあらたな解析手法を提案し、候補天体の同定に極めて有用であることを示した。 最後に、10月に富山で行われた領域ワークショップ「重力波とニュートリノで読み解く超新星の多次元的性質」において、本研究計画の進捗状況の報告を口頭講演のかたちで行なった。
|