天然物は、生物活性分子の宝庫として知られている。本研究課題では、天然物もしくは天然物類似の生物活性低分子を取り上げ、その機能をさらに向上させるための分子設計を進めている。 例えば、天然物をタンパク質認識の素子として捉え、これに細胞内分解の機能を付与すると、従来の生物機能を強めることが可能になる。 本年度は、c-Mycに代表されるがん遺伝子の発現に関わるタンパク質BRD4に結合する低分子を選択し、これを元にしたキメラ分子を合成した。低分子に適切な化学修飾を行うことによって、細胞内でBRD4タンパク質レベルの抑制する機能を付与することができた。また、天然物の標的同定に、キメラ分子を使うための基礎検討を実施した。
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