研究領域 | 化学コミュニケーションのフロンティア |
研究課題/領域番号 |
18H04606
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
木越 英夫 筑波大学, 数理物質系(副学長), 副学長 (90169839)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | アプリロニンA / アクチン / スウィンホライドA / アナログ |
研究実績の概要 |
海洋天然物アプリロニンAは化学シグナルとして働くことにより、二大細胞骨格タンパク質であるアクチンとチューブリンのタンパク質間相互作用を誘導し、生成したこれらの三元複合体が鍵となって前例のない強力な抗腫瘍性を発現する。これまでに、本化合物の単離、構造決定から化学合成までの化学研究を完了し、構造活性相関や標的タンパク質解析などケミカルバイオロジー研究を進めてきた。本研究では、海洋天然物により誘導されるタンパク質間相互作用の詳細を解析し、生成する三元複合体の構造と機能(化学コミュニケーション)を理解することにより、同様の活性を持つ有用な生物活性リガンドの創製を目的とした。 アプリロニンAのチューブリンとの結合に重要なマクロラクトン部と、アプリロニンAよりも簡単な構造ながら強くアクチンと結合するスウィンホライドAの側鎖部を連結させたハイブリッド・アナログを設計し、合成した。この結果、合成工程数にして10段階を簡略化した構造を持ちつつ、アプリロニンAと同様の生物活性(アクチンと結合したのちに、チューブリンと結合して腫瘍細胞増殖阻害活性を示す)を持つアナログを開発することができた。しかしながら、生物活性の強度はかなり弱くなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初に設計したアナログの合成と生物活性試験を完了した。
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今後の研究の推進方策 |
今回合成したアナログは、天然物と比較して構造が簡略化してあるので、これを用いた構造活性相関研究を進める。
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