公募研究
持久運動トレーニングは、転写共役因子PGC-1αの発現増加を介して、骨格筋のミトコンドリア量を増やす。ミトコンドリア生合成に必要な脂質の合成と輸送は「小胞体とミトコンドリアの接触点(連携ゾーン)」を介して行われていることが示唆されており、PGC-1αによるミトコンドリア生合成促進時にも、この「連携ゾーン」を介してミトコンドリア内膜の構成脂質であるカルジオリピン(CL)が供給されると考えられる。これまでに、骨格筋へのPGC-1α過剰発現がミトコンドリア量とCL量を増加させることを明らかにし、CL合成の律速段階である「ホスファチジン酸からCDP-ジアシルグリセロール(CDP-DAG)への変換」を担う3種類の酵素のうちCds1の発現量のみを増加させることを認めている。しかし、PGC-1αの発現増加が「連携ゾーン」形成に関与するのか、Cds1によって生成したCDP-DAGがCL合成やミトコンドリア生合成に必要なのか否かは不明である。本年度は、PGC-1αがCds1存在下において、小胞体とミトコンドリアの相互作用を促し、ミトコンドリア膜タンパク質と協調的にCL(72:8)やミトコンドリア膜電位を増加させることを認めた。また、本研究では、CLリモデリング酵素の発現がPGC-1αにより増加すること、この遺伝子をノックダウンさせたC2C12細胞では、CL (18:2)4量が減少し、筋管形成への影響が認められた。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Front Cell Dev Biol
巻: 7 ページ: 330
10.3389/fcell.2019.00330. eCollection 2019.