研究領域 | 温度を基軸とした生命現象の統合的理解 |
研究課題/領域番号 |
18H04687
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中山 一大 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (90433581)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 褐色脂肪組織 / 熱産生 / ゲノムワイド関連解析 / 一塩基多型 |
研究実績の概要 |
褐色脂肪組織はヒトの重要な熱産生装置の一つと考えられている。斉藤らは、静脈注射したフッ素放射性同位体標識グルコースの動態を、陽電子放出断層撮影(PET-CT)で観察することにより、成人でも寒冷刺激により褐色脂肪組織が活性化すること、さらに、適切な寒冷刺激を加えても褐色脂肪組織の活性を示さない者が日本人成人には相当数存在することを見出した。このような褐色脂肪組織活性の個人差の一部は遺伝的に決定されている可能性があり、1型非共役タンパク質遺伝子や3型βアドレナリン受容体遺伝子の一塩基多型(SNP)の関与が報告されているが、その全体像は未だ解明されていない。本課題では、FDGとPET-CTによる褐色脂肪組織活性の測定を実施した被験者(北海道在住の成人男女)を対象に、Axiom ジャポニカアレイを用いたゲノムワイドSNPタイピングおよびインピュテーション法による全ゲノムレベルでの多型遺伝型情報の復元を実施し、褐色脂肪活性の個人差と関連するゲノム領域を探索した。現在までに、約190名における約270万座位のSNP遺伝型データを蓄積している。これらデータを用いた予備的なゲノムワイド関連解析では、1番染色体短腕と12番染色体短腕に存在する座位にゲノムワイド関連解析における有意水準(P<5E-8)をクリアしたSNPを検出している。さらに、新たに96検体についてAxiomジャポニカアレイを用いたゲノムワイドSNP遺伝型情報判定が完了しており、インピュテーション実施後のデータにゲノムワイド関連解析を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、全ゲノムSNP解析に供するサンプル数が増加できた。
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今後の研究の推進方策 |
現在は、追加の96検体についてゲノムワイドSNP遺伝型情報を取得、インピュテーション解析を実施している。また、2018年末から2019年にかけて新たに取得した検体を含めた約60検体分のゲノムワイドSNP遺伝型情報を取得する予定である。前年度までに得られたデータと統合して関連解析を実施し、褐色脂肪活性の有無に関連する座位の同定を目指す。検出された座位については、寒冷暴露実験・生活習慣病コホートなどを用いて周辺形質との関連を検証する予定である。
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