近年の光遺伝学技術の発展に伴い、多様な細胞内活動を極めて高精度の時空間分解能で制御することが可能になってきた。しかし、タンパク質の発現ダイナミクスを光誘導すると同時に、誘導されたタンパク質の細胞内動態を直接イメージングする技術は未だ確立していない。もしそのような技術が確立すれば、光誘導による転写・翻訳を経て生成されたペプチド鎖が、ゴルジ体などの適切な細胞小器官へと輸送・修飾・成熟化され、さらに下流の経路へとシグナル伝達するまでの様子を系統的に観察することが可能になり、細胞内情報処理機構のさらなる理解に繋がると考えられる。そこで本研究では、光遺伝学技術によって発現誘導されたタンパク質の細胞内ダイナミクスを多色の蛍光チャンネルによって可視化することを可能にする基盤技術の確立を目指した研究を行った。本年度は、青色光遺伝学と相補的な新規蛍光イメージング技術の検討を進めた。その結果、青色光照射条件においても褪色しない有用な蛍光イメージング技術を見出した。この当該蛍光イメージング技術によって、光誘導したタンパク質の発現量の3時間周期の増減を定量することができた。また、同様に青色光照射条件において使用可能な、細胞内局在マーカーの選定も進めた。その結果、青色光照射条件下において、細胞内局在マーカーを蛍光イメージングしながら光誘導したタンパク質の発現ダイナミクスをモニターすることが可能になりつつある。
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