研究領域 | 共鳴誘導で革新するバイオイメージング |
研究課題/領域番号 |
18H04754
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研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究 |
研究代表者 |
青木 一洋 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 教授 (80511427)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 光遺伝学 / Phytochrome / 線虫 / 分裂酵母 |
研究実績の概要 |
近年、神経活動だけでなく細胞内シグナル伝達系に見られる翻訳後修飾反応においても、光遺伝学的による操作が可能となってきた。光誘導性二量体化(LID)システムであるCRY2-CIB系やLOV系などを使ったシグナル伝達系の操作が広く用いられているが、GFPの励起光と重なる青色光を使うことや解離に時間がかかるという問題点があった。一方、PhyB-PIF系を用いたLIDシステムは、他のものと異なり赤色光を使い、かつ結合と解離を誘導できるユニークな性質を持つ。しかし、PhyB-PIF系は補因子であるフィコシアノビリンPCBの精製と添加が必要で、この制約によりPhyB-PIF系が培養細胞系のみにしか適応されないという障害があった。本研究は、前回の公募研究で得られた結果をさらに発展し、「遺伝子にコードされたPhyB-PIF系によるシグナル伝達の光操作システムの開発と応用」を目的とする。 本年度は、1.哺乳類培養細胞内PCB合成系の改良、2.分裂酵母や線虫におけるPCB合成系の導入とPhyB-PIF系による光操作、の2点を進めた。1に関しては、PCB合成に必要な4遺伝子をすべて耐熱性シアノバクテリア由来に換えること、律速因子であるFdは分解しやすいため、Fd-Fnrのキメラタンパク質にしたところ発現が上昇したこと、またポリシストロニックな遺伝子の順番を最適化することで、PCBの合成を1-2倍程度上昇させることに成功した。2に関しては、分裂酵母において細胞周期(G2-M期移行、M期スピンドルアセンブリーチェックポイント)の光操作に成功している。線虫においてもPCBの合成の確認と、光スイッチングを確認している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画通り、PCB合成能の増加に成功している。またBVRAを阻害する小化合物の探索も行っており、別の視点からも目的が達成できる可能性がある。また線虫だけでなく分裂酵母においてもPhyB-PIFを用いた光操作が有用であることが分かり、当初の計画以上に成果があげられた。これらのことから、本研究課題は当初の計画以上に進展していると結論付けた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、Phytochromeの最適化(耐熱性の高いPhytochrome)、BVRAの阻害剤の探索とその特徴化を行う。また分裂酵母のPhyB-PIF系の応用に関しては、新規の細胞周期光操作法の開発と論文化を行う。線虫に関しても、光スイッチングと細胞内シグナル伝達系の光操作による表現型の制御を目的として研究を行う。
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