公募研究
項目1 ミント・コンパニオンプランツを利用したダイズ・コマツナ栽培技術の確立ミントの香りを立ち聞きしたダイズやコマツナ受容植物ではエピジェネティクス制御を介して防御遺伝子の活性化を維持促進するシステムがあることが見出された。さらに当該現象を単なる基礎知識として留めるだけでなく、ミントを圃場や温室に設置することでダイズやコマツナの被食率を軽減させる応用例を示すことにも成功した。項目2 匂い受容植物におけるシグナル伝達系クロストーク機構の解明揮発性モノテルペンであるオシメンをシロイヌナズナの成長初期(播種後7日)もしくは後期(播種後26日)に立ち聞きさせ、播種後32日目のこれらの個体におけるハスモンヨトウ幼虫の成長率を測定した。その結果、成長初期あるいは後期にオシメンに曝されたシロイヌナズナ野生株、ヒストン脱アセチル化酵素に欠損をもつ変異体(hda6)では、未処理植物上の幼虫と比べて成長率は減少した。これらの結果から、β-ocimeneに曝されたシロイヌナズナは長期にわたり匂い刺激を記憶することと、ヒストンアセチル化によって食害抵抗性が制御されることが示唆された。これらの作用機序を紐解くために、成長後期にβ-ocimeneに曝されたシロイヌナズナにおけるH4ヒストンアセチル基ChIPシークエンス解析を実施したところ、防御遺伝子や転写因子などにおけるヒストンアセチル化が認められた。また、オシメン曝露葉ではジャスモン酸類の蓄積量の増加が認められた。以上の結果から、オシメンに曝されたシロイヌナズナではジャスモン酸シグナルが活性化され、ヒストンのアセチル化が亢進されることで防御遺伝子の活性化につながることが示唆された。
3: やや遅れている
ChIPシークエンス解析後のデータ解析に手間取ったため、予定よりやや遅れてしまった。
揮発性テルペンに曝された植物における防御応答誘導、防御応答のプライミングのエピジェネティクス制御機構について明らかにする。揮発性テルペンであるオシメンに曝されたヒストン修飾酵素変異株および過剰発現株における防御遺伝子や制御遺伝子のアセチル化および遺伝子発現様式を紐解くことで、匂い受容植物おける防御応答の記憶・プライミング制御機構の解明を目指す。具体的には以下の2項目の研究内容を実施する。計画1 オシメン受容植物における遺伝子発現制御機構の解明計画2 オシメン受容植物において役割を担うヒストン修飾酵素の同定
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (16件) (うち国際共著 2件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 図書 (2件) 備考 (1件)
New Phytologist
巻: 224 ページ: 875~885
10.1111/nph.15813
化学と生物
巻: 57 ページ: 428-432
Journal of Plant Interactions
巻: 14 ページ: 143-150
10.1080/17429145.2019.1602888
巻: 14 ページ: 164-166
10.1080/17429145.2019.1605004
Plant Physiology
巻: 179 ページ: 1273-1284
10.1104/pp.18.00715
Scientific Reports
巻: 9 ページ: 1704
10.1038/s41598-018-38098-x
Planta
巻: 249 ページ: 235-249
10.1007/s00425-018-3054-z
Aroma Research
巻: - ページ: in press
バイオサイエンスとインダストリー
アグリバイオ
Green Age
巻: 2 ページ: 4-6
青淵
巻: 4 ページ: 12-14
The Plant Journal
巻: 96 ページ: 910-920
10.1111/tpj.14077
巻: 94 ページ: 975-990
1111/tpj.13911
Journal of Agricultural and Food Chemistry
巻: 66 ページ: 3443-3448
10.1021/acs.jafc.8b00353
巻: 19 ページ: 221-222
https://www.rs.tus.ac.jp/garimura/