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2018 年度 実績報告書

コケ植物から解き明かす植物幹細胞に特有の動作原理

公募研究

研究領域植物の生命力を支える多能性幹細胞の基盤原理
研究課題/領域番号 18H04829
研究機関北海道大学

研究代表者

藤田 知道  北海道大学, 理学研究院, 教授 (50322631)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード不等分裂 / コケ植物 / 植物幹細胞 / 原糸体頂端幹細胞
研究実績の概要

植物幹細胞が性質の異なる2つの娘細胞になる過程は、不等分裂または非対称分裂と呼ばれ、その分子機構の研究は限られたモデル被子植物で 行 われてきたものの、知識は断片的でありその大部分はまだよくわかっていない。そこで本研究ではこれまでの成果をさらに発展させ本領域の推進に役立てるため、ヒメツリガネゴケの原糸体頂端幹細胞に着目し、その幹細胞をin vivoの生きた状態で1細胞単位で研究し、植物に特有の分子制御機構を複数明らかにすることを目的とした 。
ヒメツリガネゴケの原糸体は幹細胞が露出しており、このような目的に向いた材料である。また全ゲノム情報が利用でき、遺伝子の機能解析技術も蓄積している。このような材料の利点を生かし、植物幹細胞に特有の特徴を明らかにするために相互に関連の深い次の3つの研究課題に取り組んだ。《1》植物幹細胞の極性・不等分裂の制御機構、《2》植物幹細胞の不等分裂と等分裂を可逆的に制御する機構、《3》植物幹細胞の原形質連絡の制御機構に関する研究をそれぞれ実施した。
その結果、植物特有の転写因子が水チャネルを形成するアクアポリンの発現を誘導していること、またこの転写因子の発現異常は液胞の局在や形成異常を引き起こし、不等分裂の異常を引き起こすことがわかってきた。これらの関係性を今後詳細に解析する。また植物特有のアラビノガラクタンタンパク質に着目し研究を進めた。その結果、この因子はオーキシンの感受性の制御に関わること、また実際にオーキシンシグナル伝達系の因子が重要な役割を担っている可能性を明らかにすることができた。今後これらの関係をより詳細に調査する。またアブシジン酸シグナル伝達因子の2つに着目し、原形質連絡制御の関係を調べている。予備的ではあるがこの両者で働きが違うことが明らかになった。今後は、これらの因子による原形質連絡制御の詳細を詳細に調査する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、概要にも記したようにヒメツリガネゴケの原糸体頂端幹細胞に着目し、その幹細胞をin vivoの生きた状態で1細胞単位で研究し、植物幹細胞に特有の分子制御機構を複数明らかにすることを目的とした 。ヒメツリガネゴケの原糸体は幹細胞が露出しており、このような目的に向いた材料である。また全ゲノム情報が利用でき、遺伝子の機能解析技術も蓄積している。このような材料の利点を生かし、植物幹細胞に特有の特徴を明らかにするために相互に関連の深い次の3つの研究課題に取り組んだ。その結果、《1》植物幹細胞の極性・不等分裂の制御機構、《2》植物幹細胞の不等分裂と等分裂を可逆的に制御する機構、《3》植物幹細胞の原形質連絡の制御機構に関するそれぞれの課題でほぼ目的どおりの成果を得ることができた。

今後の研究の推進方策

概要欄にも記したが、本研究は、ヒメツリガネゴケの原糸体頂端幹細胞に着目し、その幹細胞をin vivoの生きた状態で1細胞単位で研究し、植物幹細胞に特有の分子制御機構を複数明らかにすることを目的としている。ヒメツリガネゴケの原糸体は幹細胞が露出しており、このような目的に向いた材料である。また全ゲノム情報が利用でき、遺伝子の機能解析技術も蓄積している。このような材料の利点を生かし、植物幹細胞に特有の特徴を明らかにするために相互に関連の深い次の3つの研究課題に取り組んでおり、それぞれの項目で今後も研究の進展を図る。《1》植物幹細胞の極性・不等分裂の制御機構、《2》植物幹細胞の不等分裂と等分裂を可逆的に制御する機構、《3》植物幹細胞の原形質連絡の制御機構に関する研究。
本年度に得られたそれぞれの成果の再現性を確認しながら、さらに計画に従い研究を前進させる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] The Physcomitrella patens gene atlas project: large scale RNA-seq based expression data.2018

    • 著者名/発表者名
      Perroud, P.-F., Haas, F., Hiss, M., Ullrich, K., Alboresi, A., Amirebrahimi, M., Barry, K., Bassi, R., Bonhomme, S., Chen, H., Coates, J., Fujita, T., et al.
    • 雑誌名

      Plant Journal

      巻: 95 ページ: 168-182

    • DOI

      DOI: 10.1111/tpj.13940

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 細胞間の高分子拡散に対する浸透圧ストレスの影響2018

    • 著者名/発表者名
      友井拓実、北川宗典、坂田洋一、川出健介、塚谷裕一、藤田知道
    • 学会等名
      日本植物学会第82会大会
  • [学会発表] ヒメツリガネゴケの平面内細胞極性における細胞膜局在型タンパク質のドメイン機能解析2018

    • 著者名/発表者名
      進藤千聖,Ooi-Kock Teh,Junling Ren,長谷部光泰,藤田知道
    • 学会等名
      第59回日本植物生理学会年会

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公開日: 2021-01-27  

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