研究領域 | 細胞機能を司るオルガネラ・ゾーンの解読 |
研究課題/領域番号 |
18H04852
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
泉 正範 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (80714956)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 葉緑体 / オートファジー / クロロファジー / Rubisco-containing body / 核 |
研究実績の概要 |
飢餓ストレス時に葉緑体を分解する部分分解オートファジー(RCB経路)と、光障害時に壊れた葉緑体を丸ごと除去する全分解オートファジー(クロロファジー)について、H30年度は以下3項目について解析を行い、それぞれ研究が進展した。 【1】葉緑体のオートファジー応答ゾーン形成因子の同定:飢餓ストレス時の部分分解、及び光障害時の全分解、それぞれの誘導時に葉緑体包膜上に形成されるオートファジー膜構造(オートファゴソーム)応答ゾーンの形成因子を生化学的に同定する試みを行った。特に光障害時について、単離葉緑体の精製、タンパク質バンドパターンの確認、質量分析を行った結果、全分解応答ゾーン形成に関わる候補タンパク質を同定した。オートファゴソーム膜に局在するATG8タンパク質と相互作用するタンパク質の共免疫沈降、バンドパターンの比較、質量分析についても行ったが、こちらについては明確な候補因子を同定するには至らなかった。飢餓ストレス時の応答ゾーンの解析については、生化学分析に供するための植物材料を整備した。 【2】葉緑体のオートファジー応答ゾーン形成のイメージングと機能解析:2種の葉緑体オートファジーそれぞれのプロセスで応答ゾーンが形成される過程を可視化するために必要な植物材料を作出し、タイムラプス観察系を構築した。部分分解の過程については、ゾーンが形成されオートファジーが起こる過程を詳細にモニタリングすることまで成功した。 【3】葉緑体-核連携ゾーンのイメージング:葉緑体-核連携ゾーンをイメージングするために必要な蛍光タンパク質発現系統を作出した。また、当該ゾーン形成に関わる葉緑体のチューブ状構造「ストロミュール」を定量解析するための観察技術を構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに、「全分解応答ゾーン形成因子の候補タンパク質」及び「部分分解応答ゾーン形成過程のモニタリング」に成功した。それ以外の解析項目についても、必要な植物系統の準備が順調に進んでいることから、本研究計画はおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究計画はおおむね順調に進展しており、大きな変更なく順次解析を進めていく予定である。また当該新学術領域内の共同研究も開始しているため、その進展に資する解析も順次追加して行っていく。
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