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2018 年度 実績報告書

MITOLによるMAM形成の制御機構と生理機能

公募研究

研究領域細胞機能を司るオルガネラ・ゾーンの解読
研究課題/領域番号 18H04869
研究機関東京薬科大学

研究代表者

柳 茂  東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (60252003)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードミトコンドリア / ユビキチンリガーゼ / MAM
研究実績の概要

エネルギー産生を担うミトコンドリアは、小胞体と近接して効率よくカルシウムの受け渡しや脂質代謝調節を行うことによって細胞の正常機能を維持している。ミトコンドリアの融合タンパク質であるMitofusin2(Mfn2)はミトコンドリアと小胞体の両方に局在して、お互いに手を繋ぐことによりミトコンドリアと小胞体の接着を仲介することが知られていたが、その制御機構は不明であった。私たちは以前ミトコンドリアに局在するユビキチンリガーゼMITOLを同定し、MITOLがMfn2を活性化することによりミトコンドリアと小胞体の接着(MAM)を促進することを明らかにした。これまでのMAMの解析は生化学的な解析や電子顕微鏡を用いた二次元の形態学的な解析が行われてきたが、実態を反映したより正確なMAMの解析方法が必要である。そこで今回、私たちはマウス脳を用いて生体内におけるMAMの実態を3D-SEMにより三次元的に解析を行った。その結果、MAMとミトコンドリアの形態を制御している可能性が示唆された。さらに神経特異的にMITOLを欠損したマウスを作成し、MAMの破綻の有無を解析した結果、MITOL欠損したマウスの海馬神経細胞に於いて、MAMが破綻していることを証明することに成功した。さらにマウス脳を用いてMAMの破綻によるミトコンドリアの脂質代謝への影響を質量分析にて解析したところ、カルジオリピンの未成熟が同定された。これらの研究成果により、MITOLは生体内においてもMfn2を介してMAMを制御していることが証明され、MAMがカルジオリピンの代謝を制御していることが示唆された。これらの研究成果MITOLの機能により低下による老化関連疾患の分子病態の一端が解明された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今回、マウス脳を用いて生体内におけるMAMの実態を3D-SEMにより三次元的に解明し、同時にMITOL欠損によるMAMの破綻を証明することに成功した。さらにMAMの破綻によるミトコンドリアの脂質代謝への影響について質量分析にて解析したところ、カルジオリピンの未成熟が同定された。これらの研究成果により、MITOLは生体内においてもMfn2を介してMAMを制御していることが証明され、MITOLの機能低下による老化関連疾患の分子病態の一端が解明された。

今後の研究の推進方策

神経変性疾患など様々な疾患に於いてMAMの異常が観察されている。今後、MAMにおけるMITOLの新規基質を探索し、MAMの分子実態ならびに生理機能のを詳細に解析し、疾患との関連明らかにする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ミトコンドリア機能低下が招く老化関連疾患2018

    • 著者名/発表者名
      柳 茂, 武田啓佑, 徳山剛士
    • 学会等名
      第91回日本生化学会大会

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公開日: 2019-12-27  

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