研究領域 | 非線形発振現象を基盤としたヒューマンネイチャーの理解 |
研究課題/領域番号 |
18H04960
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
花川 隆 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 脳病態統合イメージングセンター, 部長 (30359830)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 脳活動ダイナミクス / 脳波 / 機能的MRI / 神経回路 |
研究実績の概要 |
本年度は主にデータ計測を進め、また計測したデータの前処理について検討を進めた。データ計測では、課題については既に確立していたが、MRIデータ計測のパラメータ、特に繰り返し時間(repetition time: TR)の違い(2.5秒あるいは0.8秒(Multiband法を使用))が脳波データに与える影響を、課題関連電位を用いて検討した(予備的検討)。結果として、TR2.5秒の場合、0.8秒に比べ、課題関連電位におけるSN比が大きくなることが分かった。従って、本研究ではTR 2.5秒で計測を進めた。データ計測はまだ進行中である。脳波およびMRIデータについては前処理を進めている。MRIデータについては、いわゆる課題関連脳活動と自発脳活動を分離する他、spurious connectivityの原因となるglobal signalや頭の動きの影響を除去するため、線形モデルを用いた前処理の手法を実装した。脳波データにおいては、MRI関連アーチファクト(gradient artifactおよびballistocardiographic artifact)について既存の手法で補正を行った後、独立成分分析を用いて瞬目に伴うアーチファクトの除去を試みた。しかし、計測されたデータのうち、独立成分分析による瞬目アーチファクトの分離が不良となるものが少なからず存在することが判明した。帯域通過フィルタを用いて瞬目アーチファクトを強調し、成分数を10程度まで減らして独立成分分析を行うことで、瞬目アーチファクトを1つの成分として抽出することが出来、これにより求めた空間フィルタを用いて瞬目アーチファクトを復元した後、元データから差し引くことで、元データの信号を損なわずに効率的に瞬目アーチファクトを除去することが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在は確立したデータ計測系を用いて順調に被験者数を増やしているが、昨年度に研究協力者の異動と、MRIが故障した影響があり、まだ当初の目標人数に到達していない。データ解析については、脳波データ、MRIデータとも、前処理についてはほぼ確立した。研究体制は再度確立できたたため、本年度中前半には遅れを取り戻し、当初目標を達成できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
データ計測:被験者数は最終的に30人以上を到達目標とし、今期前半で目標数到達を目指す。時間がゆるせば、上記TR 2.5秒のデータに加えて、TR 0.8秒の条件下でもデータ取得を行うことを目指す。 データ解析:すでに撮像したデータについて順次、前処理を行った後、自発脳活動に基づく指標を抽出していく。データ計測が終了する時点を目安に自発脳活動の指標抽出を終了し(今年度前半まで)、脳波データ指標とMRIデータ指標の時間的関係性について解析を進め、得られた結果について論文投稿を行う。また本研究で取得したデータに対しては、随時、新しい解析手法を応用していくことが可能と考えられ、現在進行形で種々の解析手法による多面的なアプローチで解析を進めることを目指す。
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