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2018 年度 実績報告書

重力ベクトル・パラメータ変化を駆使した新たな骨代謝機構の解明

公募研究

研究領域宇宙からひも解く新たな生命制御機構の統合的理解
研究課題/領域番号 18H04986
研究機関昭和大学

研究代表者

茶谷 昌宏  昭和大学, 歯学部, 助教 (80628628)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード破骨細胞 / 重力
研究実績の概要

重力は地球上の全ての生物に影響しており、3次元で構成された生体中で細胞と細胞外基質をつなぎとめる細胞接着装置は重力環境下で生物が進化する上で無くてはならない構造体と考えられる。重力の大きさが約100万分の1となる国際宇宙ステーションは微小重力環境と呼ばれ、人間が生活すると骨量が減少する。申請者らは遺伝子改変メダカを用いた宇宙実験を行い、破骨細胞が活性化することを明らかにした(Chatani et al, Sci Rep 2015)。このことは、破骨細胞は重力に依存した活性化調節機構を有していることを示唆するが、詳細なメカニズムは不明である。破骨細胞は骨を溶かすために骨基質と強く接着する必要があり、インテグリンを含んだ細胞接着構造を持っている。この構造は細胞が細胞外環境を繊細に感受できる複合体を構築しており、きわめてよくコントロールされたInside-Out Signalingが可能である。破骨細胞の重力感知は細胞接着装置を介して行われると仮定し、その機構を明らかにする。
前回の公募研究の成果として、国際宇宙ステーションでの蛍光タンパク質発現上昇と、微小重力環境下での骨関連遺伝子が急激に発現上昇することを明らかにした(Chatani et al, Sci Rep 2016)。本研究では、細胞の培養実験において細胞の接着面が重力方向に対して傾斜する角度で培養する実験を行った。骨に関連する様々な細胞種で検討したところ、破骨細胞の培養において重力方向への移動がみられた。この現象を正確に再現するために傾きの条件など、培養条件を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

再現性を確認しつつ、細胞の接着面を傾斜させる培養実験系の構築に時間を要した。現在は、傾斜計測計を初めとして傾斜培養実験をする準備が整いつつある。これからこの実験系を利用して、実験を推進する予定である。

今後の研究の推進方策

細胞の重力影響を調べるための、傾斜型培養実験系の準備が整ったため、それを用いて、細胞の重力応答性を定量的に解析していく。
FACSや阻害薬を用いて、細胞の性質を調べていき、破骨前駆細胞の種類について解析する。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Anti-mouse RANKL Antibodies Inhibit Alveolar Bone Destruction in Periodontitis Model Mice2018

    • 著者名/発表者名
      Kuritani Miku、Sakai Nobuhiro、Karakawa Akiko、Isawa Motoki、Chatani Masahiro、Negishi-Koga Takako、Funatsu Takahiro、Takami Masamichi
    • 雑誌名

      Biological and Pharmaceutical Bulletin

      巻: 41 ページ: 637~643

    • DOI

      10.1248/bpb.b18-00026

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 400㎞上空の生きた細胞を見る2018

    • 著者名/発表者名
      茶谷 昌宏
    • 雑誌名

      月刊細胞

      巻: 50 ページ: 38~39

    • 査読あり
  • [雑誌論文] メダカ骨芽細胞/破骨細胞の微小重力環境に対する初期応答2018

    • 著者名/発表者名
      茶谷 昌宏
    • 雑誌名

      White

      巻: 6 ページ: 69~70

  • [学会発表] The potential of medaka fish to uncover mechanisms of gravity response.2018

    • 著者名/発表者名
      Chatani M
    • 学会等名
      15th Korea-Japan Joint Seminar on Space Environment Utilization Research
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] メダカ骨芽細胞/破骨細胞の微小重力環境に対する初期応答2018

    • 著者名/発表者名
      茶谷 昌宏
    • 学会等名
      第5回臨床骨ネットワーク研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] Effects of gravity change on medaka fish hard tissues.2018

    • 著者名/発表者名
      Chatani M, Mitsuhashi A, Dodo Y, Azetsu Y, Sakai N, Kudo A, Takami M
    • 学会等名
      29th Australian and New Zealand Bone and Mineral Society (ANZBMS) ANNUAL SCIENTIFIC MEETING
  • [学会発表] 重力が歯と骨の恒常性に及ぼす作用-メダカを用いた加重力実験2018

    • 著者名/発表者名
      茶谷 昌宏, 三橋 あい子, 畔津 佑季, 坂井 信裕, 工藤 明, 高見 正道
    • 学会等名
      第36回日本骨代謝学会学術集会
  • [学会発表] 重力変化がメダカの硬組織に与える影響2018

    • 著者名/発表者名
      茶谷 昌宏
    • 学会等名
      第347回昭和大学学士会例会
  • [図書] Handbook of Space Pharmaceuticals2019

    • 著者名/発表者名
      Chatani M, Kudo A
    • 総ページ数
      -
    • 出版者
      Springer, Switzerland
    • ISBN
      978-3-030-05526-4
  • [図書] Zebrafish, Medaka and Other Small Fishes.2018

    • 著者名/発表者名
      Chatani M, Kudo A
    • 総ページ数
      315
    • 出版者
      Springer, Singapore.
    • ISBN
      978-981-13-1878-8

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公開日: 2019-12-27  

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