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2019 年度 実績報告書

線維化を司る非免疫系環境因子の研究

公募研究

研究領域予防を科学する炎症細胞社会学
研究課題/領域番号 18H05032
研究機関大阪大学

研究代表者

佐藤 荘  大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 准教授 (60619716)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード肺線維症 / マクロファージ / 自然免疫 / 細胞死
研究実績の概要

線維化の発症に関わるマクロファ-ジについて解析を行ったところ、Ly6C-Mac1+分画の一部の細胞が線維症の発症に伴って、線維化部位に集積していることを突き止めた。この細胞の形態的特徴を解析したところ、2核様の形態をとっていたのでSegregated nucleus Atypical Monocyte (SatM)と名付けた。SatMが欠損したマウスは線維化に耐性になったことから、この細胞が線維化の発症に重要であることをこれまでの研究で明らかにした。
つぎに、この細胞に影響を及ぼす非血球系についての研究を行った。肺線維症に関わる非血球系で機能している新規分子を同定するため、ブレオマイシン(BLM)投与モデルで線維症が発症した際の遺伝子発現パターンの網羅的解析を実施し、RNA結合タンパクRbm7を見出した。Rbm7は精子に高発現している分子として同定されたが、in vivoでの機能は明らかとなっていなかったので、遺伝子欠損マウスを作製して検討を行った。疾患モデルをかけない状態では、Rbm7-/-マウスは異常を示さなかった。次に、線維化発症下におけるRbm7の役割を検討したところ、Rbm7-/-マウスはBLM誘導性肺線維症を抑制した。また、Rbm7-/-マウスは未病時にはSatMは正常に存在しているが、対象臓器への遊走が阻害されているために線維化が抑制されていることが明らかになった。次に、Rbm7と線維化との関係性を調べるために、Rbm7の発現が上昇するタイミングで各臓器に起こっている現象を検討したところ、本分子の発現に伴ってTUNEL陽性の細胞が確認された。さらにCleaved-Caspase3の発現パターンからこれはapoptosisであることが分かり、この型の細胞死はRbm7-/-マウスでは抑制されていた。以上の事からRbm7は線維化発症に必須の分子である事が明らかにした。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (18件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 1件、 招待講演 11件) 図書 (6件)

  • [雑誌論文] Dysregulated Expression of the Nuclear Exosome Targeting Complex Component Rbm7 in Nonhematopoietic Cells Licenses the Development of Fibrosis2020

    • 著者名/発表者名
      Fukushima Kiyoharu、Satoh Takashi、Sugihara Fuminori、Sato Yuki、Okamoto Toru、Mitsui Yuichi、Yoshio Sachiyo、Li Songling、Nojima Satoshi、Motooka Daisuke、Nakamura Shota、Kida Hiroshi、Standley Daron M.、Morii Eiichi、Kanto Tatsuya、Yanagita Motoko、Matsuura Yoshiharu、Nagasawa Takashi、Kumanogoh Atsushi、Akira Shizuo
    • 雑誌名

      Immunity

      巻: 52 ページ: 542~556.e13

    • DOI

      10.1016/j.immuni.2020.02.007

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 疾患特異的マクロファージの機能的多様性2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      第5回DCDC
    • 招待講演
  • [学会発表] 疾患特異的マクロファージの機能的多様性ー線維化に関わるマクロファージとその周辺環境の研究ー2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      第59回日本呼吸器学会学術講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] 疾患特異的マクロファージの機能的多様性2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      第62回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] 疾患特異的マクロファージの機能的多様性~繊維症に関わる新規マクロファージサブタイプとその周辺環境の研究~2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      第19回日本NO学会学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] 線維化を制御するマクロファージとその環境因子の研究2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      第40回日本炎症・再生医学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 疾患特異的マクロファージの機能的多様性2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      学友会セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 疾患特異的マクロファージの機能的多様性2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      動脈硬化Update2019
    • 招待講演
  • [学会発表] 疾患特異的マクロファージの機能的多様性ー線維化発症メカニズムの解明に向けてー2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      第13回若手研究フォーラム
    • 招待講演
  • [学会発表] 疾患特異的マクロファージの機能的多様性 -線維化に関わる研究-2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      第92回日本生化学会大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 疾患特異的マクロファージの機能的多様性2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      第30回日本リウマチ学会中国・四国支部学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] Functional diversity of macrophage subtype2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      第48回日本免疫学会学術集会
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] 臨床免疫・アレルギー科 疾患特異的マクロファージの機能多様性-線維化にかかわるマクロファージサブタイプ-2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      科学評論社
  • [図書] 呼吸器疾患最新の治療 肺の線維化とマクロファージ新規サブタイプ2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      南江堂
  • [図書] 炎症と免疫 線維化にかかわる新規マクロファージサブセット~疾患特異的マクロファージという考え方2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      先端医学社
  • [図書] 別冊BIO Clinica慢性炎症と疾患 疾患特異的マクロファージの機能的多様性-線維化に関わるマクロファージサブタイプSatM-2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      北隆館
  • [図書] 生化学 疾患特異的マクロファージの機能的多様性2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      日本生化学会
  • [図書] 医学のあゆみ 疾患特異的マクロファージの機能的多様性-線維化に関わるマクロファージサブタイプ-2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      医歯薬出版

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公開日: 2021-01-27  

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