• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実績報告書

認知アーキテクチャを用いた自閉的傾向のコミュニケーションモデルの構築

公募研究

研究領域共創的コミュニケーションのための言語進化学
研究課題/領域番号 18H05068
研究機関静岡大学

研究代表者

森田 純哉  静岡大学, 情報学部, 准教授 (40397443)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード認知科学 / 自閉傾向 / 認知アーキテクチャ / コミュニケーション / 認知モデル / 実験記号論
研究実績の概要

自閉的傾向は,コミュニケーション障害と関連づけられつつ, 人類史の発見との関連も指摘される.しかし,自閉的傾向が人類のコミュニケーション・言語の様式に与えた影響は明らかではない.また,近年では自閉スペクトラム症の診断が増加し,特性に応じたコミュニケーションの形態を探る必要も生じている.本研究では,これらをメッセージ付き協調ゲームを課題とした実験的・構成的アプローチによって検討した.
2019年度は,前年度に検討した実験データに対する検討を進めた.その結果,自閉スペクトラムの様々な特性が,コミュニケーション形成の異なる局面に影響を及ぼすことが明らかになった.たとえば,パターン化の強さは集団における初期の記号システムの形成を促進し,注意の切り替えの困難さは形成されたコミュニケーションシステムを維持する役割を担った.
これらの知見は,自閉的傾向がコミュニケーション障害と関連づけられるという既存の見方と整合しない.不整合の一つの原因は,コミュニケーションシステムの新規性に求められる.本研究の参加者は,既存のコミュニケーションを学習するのではなく,自らが新たにコミュニケーションのシステムを形成した.このような主体的な場面において,自閉的傾向は有効に働くのかもしれない.この解釈は自閉的傾向と人類史における発見との関係と整合する.
もう一つの考えられる原因はメディアの特性である.本研究では音声やジェスチャーを排除した状況で,視覚的図形を組み合わせることによるコミュニケーションを求めた.このような状況は,自閉スペクトラム症が困難を覚えるコミュニケーション場面とは異なる.研究代表者らのシミュレーションにおいても,自閉的傾向の強さと音声コミュニケーションにおける分節化の困難さが関連づけられている.これらから特性に応じた環境の設定により,有効なコミュニケーションの支援が可能になることが示唆される.

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] 機械学習時代における認知的学習モデルの役割 ─ ACT-R による学習モデルの事例と支援システムへの搭載─2020

    • 著者名/発表者名
      森田純哉
    • 雑誌名

      人工知能

      巻: 35 ページ: 223-233

  • [雑誌論文] The Mirroring of Symbols: An EEG Study on the Role of Mirroring in the Formation of Symbolic Communication Systems2019

    • 著者名/発表者名
      Li G, Hashimoto T, Konno T, Okuda J, Samejima K, Fujiwara M & Morita J
    • 雑誌名

      Letters on Evolutionary Behavioral Science

      巻: 10 ページ: 7-10

    • DOI

      https://doi.org/10.5178/lebs.2019.70

    • 査読あり
  • [学会発表] 音韻意識の形成過程における誤りの認知モデリング2020

    • 著者名/発表者名
      西川 純平, 森田純哉
    • 学会等名
      人工知能学会 第88回 先進的学習科学と工学研究会(SIG-ALST)
  • [学会発表] Experimental study on the ambiguation of communication system caused by dilemma situation2020

    • 著者名/発表者名
      Naoki Inoue, Junya Morita
    • 学会等名
      25th International Symposium on Artificial Life and Robotics
    • 国際学会
  • [学会発表] メッセージ付きジレンマゲームにおけるコミュニケーションシステムの実験的検討2019

    • 著者名/発表者名
      井上直紀,森田純哉
    • 学会等名
      日本認知科学会第36回大会
  • [学会発表] 自閉傾向によるコミュニケーション成立の因果構造2019

    • 著者名/発表者名
      嶋 暁,紅林優友,森田純哉
    • 学会等名
      日本認知科学会第36回大会
  • [学会発表] インタラクションを介した音韻意識獲得に関する認知モデルの検討2019

    • 著者名/発表者名
      西川 純平, 森田純哉
    • 学会等名
      日本認知科学会第36回大会
  • [学会発表] メッセージ付きジレンマゲームにおけるコミュニケーションシステムの成立と変化2019

    • 著者名/発表者名
      井上 直紀, 森田 純哉
    • 学会等名
      2019年度 人工知能学会全国大会 (第33回)
  • [学会発表] ことば遊びを通して言語発達を促すインタラクションモデルー認知アーキテクチャを用いた検討2019

    • 著者名/発表者名
      西川 純平, 森田純哉
    • 学会等名
      2019年度 人工知能学会全国大会 (第33回)
  • [学会発表] Modeling shared communication systems formed with autistic cognition2019

    • 著者名/発表者名
      Junya Morita
    • 学会等名
      Evolinguistics Workshop 2019
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi