公募研究
マスウもしくはヒトにおける骨髄内細胞の種類と局在の同定骨髄のダイバーシティーを理解する上で、骨髄中の細胞種を全て理解すると同時に各細胞の局在を以下の方法により明らかにする必要がある。そのためには、以下のような実験により細胞の同定と局在を明らかにすることを試みた。その研究の中で造血幹細胞を取り巻く複雑な骨髄環境の因子を理解するためにはin vitroでの因子と細胞の詳細な理解が重要であるという結論に至った。申請者はそのような問題定義から生体外で造血幹細胞を増幅させる人工ニッチの構築を行い、それに成功した。非常に人工的であるが、これまでにない造血幹細胞のシグナルを理解するとともに未分化維持の理解にも重要なシステムを開発した。また、申請者らは既に全骨髄組織をComputed Tomography(CT)技術を用いることでイメージングデータ化に成功しており骨髄中の複雑な構造を理解することに成功している。また、そのイメージデータをComputer-aided design(CAD)により内腔や構造物の距離を解析することで1部分であるが3D プリンターを用いることで骨髄構造模型を作製している。骨髄細胞を取り除いた後の構造物としては骨組織で構成されていることから、人工骨髄としての骨組みはリン酸カルシウムが好ましいと考えられた。しかし、もう1つの骨髄組織を構成する細胞の中で重要な網状細胞もしくは間葉系細胞の性質維持に最適な素材を検討した際にチタン条件下における培養が他の検討群と比較して遺伝子発現やサイトカインの発現が最適であったことからチタンを素材に用いた人工骨髄模型も作製している。この骨髄の構造を模倣した模型に最適な細胞を接着させ、加えていくことで、生体内の骨髄を模倣した人工骨髄を作製し、骨髄のダイバーシティーを証明した。
2: おおむね順調に進展している
計画書と比較すると異なる部分があるが、目的としては順調であると言える。
3D プリンターを用いて、骨髄の構造を模倣の骨髄と同様の組織を作成し、骨髄組織内における細胞社会とそのダイバーシティーを解明する。申請者は人工骨髄還流培養系内に存在する造血幹細胞の機能を解を計画している。構築した培養系を用い1ヶ月間、人工骨髄で培養した細胞群を取り出し、造血幹細胞の細胞表面抗原を蛍ノクローナル抗体で染色し、セルソーターにより高度に純化された造血幹細胞を分取する。分取された細胞は放射線照射し骨髄破壊的処置をおこなったマウスに移植し、人工骨髄で培養された造血幹細胞の骨髄再構築能力とその多分化能力を解析する。また生体内における造血幹細胞との機能を比べることにより、人工骨髄培養系を介した造血幹細胞の能力が向上しているのか?もしくは低下しているのか?などを明らかにする。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 7件、 査読あり 7件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 8件)
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