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2018 年度 実績報告書

舌・食道上皮幹細胞由来正常・異常オルガノイドの単一細胞4D動態・遺伝子発現解析

公募研究

研究領域細胞社会ダイバーシティーの統合的解明と制御
研究課題/領域番号 18H05105
研究機関関西医科大学

研究代表者

上野 博夫  関西医科大学, 医学部, 教授 (60332368)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード幹細胞
研究実績の概要

昨年度の研究において、私たちはあらたに舌上皮に存在する味蕾幹細胞の存在を証明した。味蕾とは舌上皮茸状乳頭に存在する味覚感知器官であり、甘味、塩味、苦味、酸味、旨味の基本5味覚に加えて、カルシウム、鉄味等のマイナーな味覚を含めすべての味覚を感知する、少なくとも4種類の味覚感知細胞を内包している器官である。これらの細胞は聴覚、嗅覚等の感知細胞とは異なり、食物から来る物理的、化学的障害に曝されていることから、成体幹細胞によって維持されていると考えられていた。従来説によると味覚感知細胞の幹細胞は味蕾底部に存在するとされてきたが、私達の研究により、傍味蕾乳頭間窩底部に存在することが明らかとなった。多色細胞系譜追跡法と単一細胞RNAseq法を用いて、食道上皮幹細胞、味蕾幹細胞、舌上皮幹細胞の新規幹細胞マーカー遺伝子のリストアップおよび、それに基づいた多色細胞系譜追跡法にて、これらが私達の過去の研究にて同定した幹細胞マーカーよりも特異的であることを示すことができた。また、同領域由来のオルガノイド培養法を確立、多色細胞系譜追跡法、3dタイムラプス動画解析による成体幹細胞の動態解析を行っている。また、同領域の4NQO発がんモデルによる腫瘍由来、がんオルガノイド(舌がんオルガノイド、および食道がんオルガノイド)に適応し、正常オルガノイドにおける成体幹細胞の挙動とがんオルガノイドにおけるがん幹細胞の挙動の比較を行い、悪性腫瘍における細胞社会の乱れの意義について解析する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

舌、食道オルガノイドの単一細胞RNAseqの結果から幹細胞マーカーの同定には成功し、またオルガイドの多色3dタイムラプスイメージングに取り組んでいる。がんオルガノイドの解析はまだ準備中である。

今後の研究の推進方策

4NQO発がんモデルによる腫瘍由来、がんオルガノイド(舌がんオルガノイド、および食道がんオルガノイド)に適応し、正常オルガノイドにおける成体幹細胞の挙動とがんオルガノイドにおけるがん幹細胞の挙動の比較を行い、悪性腫瘍における細胞社会の乱れの意義について解析する。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 4件、 査読あり 1件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 8件) 図書 (1件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] BIOLOGY TOPICS 乳がんの起原とクローン進化の解明 - 多色細胞系譜追跡法によるアプローチ2018

    • 著者名/発表者名
      上野 博夫、厚海 奈穂
    • 雑誌名

      BIO Clinica

      巻: 33(6) ページ: 76-77

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 研究者の最新動向 乳がんの起源細胞とクローン進化の解明に向けた新しいマウスモデルの開発 多色細胞系譜追跡法およびその発展法2018

    • 著者名/発表者名
      上野 博夫、厚海 奈穂
    • 雑誌名

      Precision Medicine

      巻: 2(2) ページ: 157-164

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 多色細胞系譜追跡法を用いた成体幹細胞同定 耳鼻咽喉科領域の成体幹細胞とその癌化について2018

    • 著者名/発表者名
      上野 博夫
    • 雑誌名

      耳鼻咽喉科ニューロサイエンス

      巻: 32 ページ: 5-14

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Discovery of a Small Molecule to Increase Cardiomyocytes and Protect the Heart After Ischemic Injury2018

    • 著者名/発表者名
      Hara H, Takeda N, Kondo M, Kubota M, Saito T, Maruyama J, Fujiwara T, Maemura S, Ito M, Naito A.T, Harada M, Toko H, Nomura S, Kumagai H, Ikeda Y, Ueno H, Takimoto E, Akazawa H, Morita H, Aburatani H, Hata Y, Uchiyama M, and Komuro I
    • 雑誌名

      JACC: Basic to Translational Science

      巻: 3 ページ: 639~653

    • DOI

      10.1016/j.jacbts.2018.07.005

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 多色細胞系譜追跡法による成体幹細胞の同定(AIを用いた幹細胞・発生研究)2018

    • 著者名/発表者名
      上野博夫
    • 学会等名
      第18回日本再生医療学会総会
    • 招待講演
  • [学会発表] 味蕾幹細胞の同定とそれを基点とした味覚感知機序の解明・味覚再生技術の確立(日本再生医療学会賞・基礎部門・受賞者講演)2018

    • 著者名/発表者名
      上野博夫
    • 学会等名
      第18回日本再生医療学会総会
    • 招待講演
  • [学会発表] 味蕾幹細胞を用いた味覚再生技術開発の可能性2018

    • 著者名/発表者名
      上野博夫
    • 学会等名
      BioJapan2018
    • 招待講演
  • [学会発表] 多色細胞系譜追跡法によるがん幹細胞の同定(Morning Lecture 10)2018

    • 著者名/発表者名
      上野博夫
    • 学会等名
      第77回日本癌学会学術総会
    • 招待講演
  • [学会発表] 多色細胞系譜追跡法によるがん幹細胞の同定(イメージング技術で紐解くがんの特性)2018

    • 著者名/発表者名
      上野博夫
    • 学会等名
      第77回日本癌学会学術総会
    • 招待講演
  • [学会発表] 多色細胞系譜追跡法による成体幹細胞・がん幹細胞研究2018

    • 著者名/発表者名
      上野博夫
    • 学会等名
      昭和大学セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 舌・食道上皮幹細胞由来正常・異常オルガノイドの単一細胞4D動態・遺伝子発見解析2018

    • 著者名/発表者名
      上野博夫
    • 学会等名
      第二回公開シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] Cell Community for The Generation of Multifunctional Body-surface2018

    • 著者名/発表者名
      上野博夫
    • 学会等名
      第70回日本細胞生物学会(日本発生生物学会合同大会)
    • 招待講演
  • [図書] 決定版 オルガノイド実験スタンダード2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤 俊朗、武部 貴則、永樂 元次
    • 総ページ数
      368
    • 出版者
      羊土社
    • ISBN
      978-4-7581-2239-9
  • [備考] 関西医科大学 医学部 実験病理学講座

    • URL

      http://www3.kmu.ac.jp/pathol1/

  • [産業財産権] 舌上皮幹細胞とそれに由来する細胞塊2018

    • 発明者名
      上野博夫
    • 権利者名
      上野博夫
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2018-055301

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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