本研究は、前障のストレス応答神経細胞の活動を回路特異的に操作し、最新光学イメージング法FASTによる全脳活動マッピングを実施し、負の情動行動制御機構における多領野連関の解読を目指している。本年度は、以下の成果を得た。 1)前障のストレス応答性神経細胞の活動操作による行動変化 ストレスにより活性化する前障の神経細胞を特異的に活動操作するため、2種類のアデノ随伴ウイルスベクター(AAV)を用いて、ストレス刺激特異的に応答する神経細胞にDREADD受容体を発現させ、活動操作した。その結果、オープンフィールド試験および高架式十字迷路試験において不安様行動を誘発することを見出した。 2)多領野神経活動に与える影響 1)と同様にストレスに応答した細胞のみを再度活性化させた際に前頭前皮質や扁桃体を含む多領野の神経活動が活性化する結果を得た。
|